「ホームレス生存ガイド」と題する動画がいま、中国で600万回以上も再生され、大きな話題になっている。
内容は、もし家も収入も失ったら、どうやって路上で生き延びるか。野宿する場所の選び方や、段ボールを敷いて寝る方法、生活に必要な物をどう確保するかなどを、半ば冗談交じりに紹介している。
一見すると変わった企画だが、一時は人気動画ランキング2位に入るほどの反響を呼んだ。
なぜ、こんな動画がこれほど見られているのか。
その背景には、失業が身近になるなか、「明日は自分かもしれない」と不安を抱く若者が増えている現状がある。
中国国家統計局によると、2026年7月の若者の失業率は17.9%。ただ、公式統計では捉えきれない失業も多く、実態はさらに厳しいとの指摘もある。フードデリバリーや警備、配車サービスなども働く人が増え、かつてのような「最後の受け皿」になりにくくなっている。
本紙や姉妹メディアによる現地取材でも、失業がすっかり身近な問題になっていることが分かる。取材に応じた人たちは口をそろえるように、「周りに仕事を失った人がいる」「仕事が見つからない」「働いても稼げない」と話す。
こうした不安は、若者の生き方そのものを変えつつある。家や車を買わない。結婚や子育ても諦める。将来のために何かを手に入れることより、「とにかく今を生きていければいい」。そんな諦めにも似た空気が広がっている。
600万回という再生数が映しているのは、路上生活への好奇心ではない。「仕事を失ったら、次は自分かもしれない」。それほど将来への不安が、若者たちにとって現実に近いものになっている。
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