中国で出入国管理強化 公務員と家族の外国パスポートと永住権を調査

2026/09/14
更新: 2026/09/14

中国共産党(中共)の新たな出入国管理規定が9月15日に施行される。関係者によると、政府機関や金融機関、国有企業、病院、学校では最近、パスポート保有状況の調査範囲を拡大している。一部の職場では、職員本人だけでなく、家族が中国や外国のパスポート、海外の滞在許可を持っているかどうかも申告するよう求めている。

これまでパスポート管理は、主に機密情報を扱う職員や一定の役職以上の幹部を対象としていたが、現在は一般職員やその家族にまで広がっている。当局は資金や技術の海外流出に加え、体制内部の情報が国外に漏れることも警戒しているという。

新規定施行前から内部調査

中共国務院が制定した「国務院の出入国管理に関する規定」は9月15日に施行する。

中共体制内の関係者、黄斌(仮名)さんは大紀元に対し、国務院傘下の部門や関連企業、公的機関が過去2か月にわたり、職員のパスポート保有状況を内部で調べてきたと明らかにした。配偶者や両親、子供など家族についても、パスポートや海外の居留証を持っているかどうか申告を求めているという。

黄さんによると、別の調査では政府機関、金融機関、国有企業、病院、学校などを対象に、本人と家族が外国のパスポートを持っているか、どの国のパスポートか、何冊保有しているかなどを記入させている。

こうした調査は公表しておらず、調査票や通知は各職場の内部で伝達しているという。

黄さんは、これまで私用のパスポートなどを勤務先が一括管理する措置は、主に特定の機密職種や副処級以上の幹部を対象としていたと説明した。今回の調査では、一般職員やその家族にまで対象が広がっている。

申告対象は中国のパスポートだけでなく、外国のパスポートや海外の滞在許可も含む。関係機関は内部の調査票を通じて、職員本人と家族が保有する出入国関連書類の状況を把握しているという。

政府・金融・病院・大学などで外国籍や永住権を調査

大手国有金融機関に勤務する孫海濤(仮名)さんも、政府機関、国有銀行、証券会社、大規模公立病院、大学など複数の分野で内部通知が出ていると証言した。

通知では、全職員を対象に「外国のパスポート、二重国籍、外国の永住権(グリーンカード)を保有しているか」を尋ねる調査票への記入を求めているという。

孫さんによると、外国のパスポートを持つ人は、発行国のほか、取得時期、パスポート番号、保有数まで記入しなければならない。外国籍を取得していなくても、外国の永住権を持っていれば申告が必要である。

さらに孫さんは、移民コンサルタント会社も関係当局に顧客情報を報告するよう求められていると明らかにした。

「公務員や公的機関の職員が移民手続きを進めながら、勤務先に申告していないことが分かれば、処罰を受ける」と話した。

天津市の油田で働く行政職員の李さんは大紀元に対し、当局がパスポート管理を公職者の家族にまで広げた背景には、「裸官(家族・財産・安全網を海外に置き、国内では身ひとつで官職に就いている)」対策と内部情報の流出への警戒があると説明した。

同氏は「この1年、腐敗問題や中国経済の状況など、内部情報の流出が深刻になっている。中共は、すでに海外へ移住した人や、出国を準備している人が一部の情報を国外に持ち出していると疑っている。こうした人たちは出国後も、以前の人脈を通じて中国の状況を把握しており、当局は情報流出を警戒している」と話した。

李さんによると、関係当局はこうした対象者について個別に記録を作成しており、過去の勤務先や卒業した学校のほか、同級生や元同僚などの人間関係も調べているという。

「例えば、以前どこで働いていたか、どの学校を卒業したか、同級生のうち誰が国内のどの機関で働いているか。こうした情報はすべて登録対象になる」と述べた。

葉子龍