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中国駐大阪総領事 イスラエルをナチスと同一視する投稿 イスラエル大使と米大使が強く反発

2025/06/26
更新: 2025/06/26

中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事が、イスラエルとナチス・ドイツを同一視する内容の投稿をSNS「X(旧ツイッター)」に行い、イスラエル側から強い反発を招いた。投稿はその後削除されたが、波紋が広がっている。

2025年6月14日に薛剣駐大阪総領事が投稿したイスラエルをナチス・ドイツと同一視する画像(Xスクリーンショット)

薛総領事は6月14日夜、イスラエルの国旗とナチス・ドイツの象徴である「かぎ十字(ハーケンクロイツ)」が描かれた旗を並べた画像をXに投稿した。その画像には、ナチス側には「ユダヤ人を虐殺」「アメリカは敵国」、イスラエル側には「ユダヤ人が虐殺」「アメリカはATM」といった説明が添えられていた。また、両者の共通点として「我々は特別で神聖な民族である」「国力の多くを軍隊に投入」「国際法は無視するもの」「占領した土地に入植を進める」などと記載した。

この投稿は、イスラエルとイランの軍事的な緊張が高まる中で行われた。イスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使は6月19日、自身のXアカウントで「中国の駐大阪総領事は、あらゆる一線を越えました」と日本語と英語で強く非難した。コーヘン大使は「ナチスの象徴を持ち出してイスラエルを非難するという、その恥ずべき扇動は、極めて不名誉であるだけでなく、反ユダヤ的であり、危険であり、ホロコーストの記憶に対する深刻な侮辱でもあります」と述べた。

さらにコーヘン大使は、「イスラエルは、核兵器での国家殲滅を公言し、弾道ミサイルを大量に配備するイラン政権から自国を守っている」と主張し、日本政府に対しても「日本外務省が即座かつ断固とした対応を取ることを強く求めます。反ユダヤ主義と憎悪の扇動は、日本において一切容認されるべきではありません」と訴えた。

薛総領事は20日正午までに問題の投稿を削除したが、これまでのところ投稿の内容や削除理由についての説明は行っていない。

また、24日には米国のジョージ・グラス駐日大使も強い懸念を表明した。グラス大使は自身のXアカウントで、薛総領事の投稿について、「在大阪中国総領事館の薛剣総領事は、イスラエルをナチス・ドイツになぞらえた投稿で、衝撃的なレベルの反ユダヤ主義、無知、そして下品さをむき出しにした(現在は削除されているが)」と厳しく批判した。

グラス大使はさらに、「これでは戦狼外交官というより、躾がなっていない子犬だ」と皮肉を交えて非難した。この「戦狼外交官」とは、近年中国の一部外交官が用いる攻撃的な発言や態度を指す言葉である。

現時点で日本政府や中国共産党政権からの公式なコメントは確認できていない。今後の対応が注目される。

大紀元エポックタイムズジャパンの速報記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。