トランプ米大統領が4月2日に発表を予定している新たな関税政策を前に、投資家の間で経済への影響を警戒する動きが強まった。リスク回避の姿勢から、安全資産とされる金への資金流入が急増していた。
1日午前、金の現物価格は一時、1オンス=3148.88ドルと過去最高値を更新。年初からの上昇率は19%に達した。その後はやや反落し、記事執筆時点では現物価格が3117.00ドル、先物価格が3150.39ドルとなった。
貴金属投資会社Sprottの統括パートナーであるライアン・マッキンタイア氏は、「中央銀行による金の積極的な買い入れと、トランプ氏の関税政策が引き起こす不透明感が、金価格の上昇を支えた」と分析し、「この不確実性は当面続く可能性があり、明日の発表内容が注目される」と、述べた。
なお、金価格に連動するETF(上場投資信託)への資金流入も加速した。英スタンダードチャータード銀行によると、2024年第1四半期における金ETFへの資金流入は、192億ドルを超え、新型コロナのパンデミック以降で最大の規模となった。
世界金協会の上級アナリスト、クリシャン・ゴパール氏は、「市場の不透明感が金への投資意欲を再燃させている」と指摘し、「投資家の間には明確なリスク回避のムードが広がっている」と、述べた。
ゴールドマン・サックスは1日、米経済が景気後退に陥る可能性を従来の20%から35%に引き上げ、米連邦準備制度理事会(FRB)がさらなる利下げに踏み切るとの予測を示した。一般に金は低金利環境で価値が高まりやすいとされる。
バンク・オブ・アメリカの調査でも、投資家のポートフォリオに占める現金の比率が、過去5年間で最大の月次増加を記録した。
また、安全資産とされる米国債も買われており、利回りは低下し、市場は、今後の政策発表による変動リスクを警戒する様子だ。
金価格の高騰を受け、複数の金融機関が年内の価格見通しを上方修正。オーストラリアのマッコーリー銀行は、金価格が年内に3500ドルに達する可能性があると予測した。
市場は現在、トランプ氏が発表する関税政策の内容に注目を集め、ワシントン・ポスト紙によると、ホワイトハウスは、輸入品の大部分に対し、およそ20%の関税を課す案を草案として準備したと言う。
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