農林水産省は、コメ価格高騰への対策として検討していた政府備蓄米の放出について、2月14日に入札で売り渡す数量や対象者などの概要を公表する方針を明らかにした。江藤拓農林水産大臣が12日の閣議後の記者会見で表明した。
江藤大臣は「生産者は需給に十分見合うだけのコメを生産したが、集荷業者には集まらない。流通をある程度円滑化するため備蓄米の放出を行う」と説明した。このような流通の円滑化を目的とした備蓄米の放出は初めての試みとなる。
コメ価格の高騰が続く中、政府は先週、コメの流通が滞っているとして備蓄米をできるだけ早く放出する考えを示していた。江藤大臣は「価格は市場で決まるべきものでコメもその例外ではないが、国民生活に対してあまりにも大きな影響が出ている。値上がりのしかたもあまりにも急激であることを鑑みて、このような決断をした」と述べ、異例の対応に踏み切った背景を説明した。
農林水産省の発表によると、2024年産米の収穫量は679万トンで前年より18万トン増加したにもかかわらず、年末時点での主な集荷業者による集荷量は前年より20.6万トン減少している。この「消えた21万トン」が価格高騰の一因とされており、農水省は流通段階での滞りを解消することを目指している。
備蓄米の放出により、コメの供給量が増加し、価格の安定化につながることが期待される。
14日の概要公表を受け、コメ市場や消費者への影響が注目される。農林水産省は今後も市場動向を注視し、必要に応じて追加対策を検討するとしている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。