中国共産党(中共)の政治協商会議と全国人民代表大会の「両会」がこの2日間で相次ぎ開かれた。
香港の各界、特に株式投資家は、北京が「両会」で経済を刺激する措置を発表することを期待していたが、3月4日、最初に開かれた全国政治協商会議では、香港株への刺激効果はなかった。香港ハンセン株価指数は全日でわずか6ポイントしか上がっていない。
そして3月5日、李強首相が全国人民代表大会で政府業務報告を行った後、香港株は開場後に続落し、午前中には一時400ポイント以上、2%以上下落した。午後の開場後も下落は続き、ハンセン指数は一時500ポイント以上下落し、最新は1万6176ポイントで、428ポイント、2.58%下落した。
中共の政府業務報告には通常、過去一年の政府業務を振り返り、本年度の政府業務の目標、重点、政策措置の発表が含まれる。これが李強の首相就任後初めての政府業務報告となった。
李強は政府業務報告で、今年の中国経済成長の予測目標を約5%、インフレ率を3%、都市部での新規就業機会を1200万件としている。しかし、これらの数字に対しては広く疑問が呈されている。
また消費者支出を支援するための追加の刺激措置を策定中であると述べ、これは消費者が「古いものを新しいものに交換する」計画を推進することを含んでいる。以前の経済低迷期に、北京は自動車購入に補助金を提供した。
シーメンス(中国)社の営業マネージャー、呉孟暉氏はビデオメッセージで、中共が市場を刺激するために設備更新や旧いものを新しいものに交換する策を出したが、これは問題の表面的な対処に過ぎず、根本的な解決策は輸出を増やすことだと述べた。
専門家は、「両会」後、中共が国務院の運営に直接介入する全面的な手法を取るだろうと予想しており、この状況下で中国経済が回復や変化を遂げる可能性はさらに難しくなると見ている。
近年、中国経済は中共中央の介入の下で困難に陥っている。2023年には、不動産危機、地方債務危機、人口危機、若者の高い失業率、国内消費需要と輸出市場の双方の弱さ、外資の撤退などが同時に発生した。
台湾政治大学国際関係研究センターの研究員、宋国誠教授は大紀元に対し、 失業の波、企業の倒産、賃金の下落、財政の縮小、外貿の減少、人民元の価値低下、株価の下落、不動産市場の崩壊、外貨の流出など、8種類以上の危機があると指摘した。
宋教授は「具体的な解決策があるとは思えない。主に、これらの経済的な問題は、共産党の体制によって決定されており、この体制内の独裁者がしばしば政策上の誤判断を下しているからである」と指摘した。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、中共の繁栄の時代は終わり、経済衰退を悪化させるのは中国の厳しい政策環境であると指摘している。高齢化する市民、重い政府債務、ばらばらな不動産融資モデルなどが問題だが、中国最大の構造的問題は、日増しに硬直化する中共の政策機構かもしれない。
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