英国防省はこのほど、異例の「脅威警告」を発布し、退役軍人に対して中国軍のヘッドハンティングに応じないよう呼びかけた。欧米メディアなどによると、英空軍の元パイロット数十人が中国軍兵士の訓練に関わっている。
英紙ガーディアンなどの18日付では、中国は南アフリカの民間会社、テスト・フライング・アカデミー・オブ・サウスアフリカ(TFASA)を通じて、英国や豪州などの元軍人のヘッドハンティング計画を秘密裏に行っている。
英情報当局者によれば、中国は年収約24万ポンド(約4030万円)の好条件で、西側の元軍人をリクルートしている。目的は西側の最新戦術や軍事情報などを取得し、中国軍の戦闘力を高めるためだという。英国からは少なくとも30人の元パイロットが中国軍兵士の訓練に協力している。
英政府は現在、中国側の引き抜きを阻止するために同盟国との連携を強化している。
中国は中共ウイルス(新型コロナウイルス)大流行の前から、欧米の元軍人をスカウトし始めた。英当局者は「ここ数カ月、中国はヘッドハンティングをさらに強化している」と話した。
スカウトされた英国の元軍人30人の中には、戦闘機F-35の操縦経験を持つ者はいないが、新鋭主力戦闘機「ユーロファイター・タイフーン」や超音速軽攻撃機「ジャガー」などの経験者がいる。
英政府関係者は、中国のヘッドハンティングは英国と西側に「脅威をもたらしている」と示した。
ジェームズ・ヒーピー(James Heappey)国防担当閣外相は、英政府は国家安全投資法など関連の法律改正を検討していると明らかにした。元パイロットらが国防省の「警告」を受け取った後も引き続き中国軍に協力すれば、英政府は元パイロットらを起訴する方針だという。
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