英国のトマス・タジェンダット安全保障相は1日の下院で、スナク新政権は公約に掲げた国内30カ所に及ぶ孔子学院の閉鎖を進める方向であることを明らかにした。
タジェンダット氏は、孔子学院が「英国の多くの大学において、個人の自由を脅かす存在」だと指摘。「民主主義や自由を尊重する政権として、孔子学院を閉鎖する方向で検討している」と述べた。
アリシア・カーンズ下院外務委員会委員長も、孔子学院の閉鎖に向けた動きを歓迎した。「今年初めの修正案を通じて、政府は閉鎖の権限を持っていると判断した。この権限を進める必要がある」と強調した。
このほかタジェンダット氏は、英国民が直面するあらゆる脅威に対処するため、多様な部門が連携したタスクフォースを結成することを発表した。この詳細は、政府が昨年3月発表した包括的な安全保障・外交・防衛戦略「統合レビュー」の更新版に含まれる。
中国政府の言語学習機関・孔子学院は、世界160の国と地域で500カ所以上設置されている。近年は中国共産党の国際的な影響力拡大を手伝う組織として警戒され、欧米では閉鎖が相次いでいる。
英国にはグラスゴー大学やヘリオット・ワット大学など30カ所に設置されている。シンクタンク「ヘンリー・ジャクソン・ソサエティ」が9月に発表した報告書によれば、英国内にある8校で中国統一戦線工作部や中央宣伝部との関係が確認された。
スナク氏は党首選で中国共産党を「英国と世界の安全保障上の今世紀最大の脅威」と呼び、当選した場合、英国のすべての孔子学院を閉鎖するなど対中強硬姿勢で臨むと表明していた。
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