孔子学院と提携中止の可能性も 英下院で法案審議  

2022/06/14
更新: 2022/06/14

英国下院で13日、大学などの言論の自由や学問の自由を保護することを目的とする高等教育法案(Higer Education (Freedom of Speech) Bill)の審議が行われた。中国のプロパガンダ機関とされる孔子学院を念頭に置いた。

20人以上の超党派議員は今月上旬、同法案の修正動議を提出した。海外の団体と協力して外国語や外国文化などの交流活動を行う英国内の大学に対し、資金調達の方法や条件などを政府に報告することを義務付けるよう求めた。

ミシェル・ドネラン大学担当大臣は下院の審議に出席し、孔子学院は今後「必ず資金源について報告しなければならない」と発言した。大臣はまた、言論の自由と学術の自由が侵害されるリスクがあった場合、大学側に孔子学院との提携を中止するよう命じる可能性があると明言した。

修正動議の共同提出者の1人であるアリシア・カーンズ議員(保守党)は今月上旬、英メディアの取材に対し、中国政府と孔子学院の強いつながりを指摘し、孔子学院が「我が国の中国語教育の正当性を損なっている」と批判した。議員は、中国が英国などに対抗するために中国語教育を「兵器化している」と英国の大学に警鐘を鳴らした。

英国には現在少なくとも30の孔子学院がある。

カーンズ議員が共同委員長を務める英下院のチャイナ・リサーチ・グループ(CRG)はこのほど、英国における孔子学院の活動をまとめた調査報告書を公表した。これによると、英政府が2015~24年までに中国語教育に少なくとも2800万ポンドを拠出した。孔子学院がその大半を取得した。

報告書によれば、孔子学院から監視されていると感じた学生は、自己検閲を行うようになったという。孔子学院の中国語教師らも、台湾やチベット問題について発言しないよう警告を受けたと証言した。

張哲
張哲