【大紀元日本12月7日】北京、天津、河北、山東などの中国の北部地区ではここ数日間、重度の霧のため、航空便の遅延や欠航が相次ぎ、一部の高速道路も閉鎖されている。駐北京の米国大使館が4日に公表した大気汚染の観測データでは、直径が2.5μm以下の超微粒子PM2.5の含有量は522を記録。最高設定値の500を超え、「危険」水準に達した。一方、北京環境保護局が同日公表したデータでは「軽度」の汚染という分類だった。
ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、「連日の快晴にもかかわらず、ひどく曇っている。他国なら重度の大気汚染と認定されるはずだが、中国では、北京は『軽度の汚染』と報告される」と皮肉った。
一方、駐北京の米国大使館は大気汚染の測定器を設置し、観測結果を大使館のツイッターで公表しているが、最高設定値の500が頻繁に超えている。ここ連日は、「健康に悪い」「危険」などの評価が出されて、北京市民の関心を集めている。
10月22日は、観測指数が434に達した。VOAによると、大使館の測定器は次の警告を出した。「緊急事態。全ての人の健康に悪影響を及ぼす可能性があることを警告する」。同日、ニューヨークとワシントンでの同指数は24と36だった。
一方、中国当局は米国大使館の観測データの信憑性を疑い、「米国大使館の測定方法には議論の余地がある」と反論した。
北京政府と米国大使館の観測データが大きく異なる主要原因の一つは、中国はPM10、つまり直径が10μm以下の微粒物質を観測している。米国大使館はPM2.5、つまり直径が2.5μm以下の超微粒子を観測している。この種の微粒子は人体に侵入しやすく、健康への危害はより深刻だ。
北京の公衆と環境研究センターの馬軍・主任はボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対して、「中国の都市部の大気汚染物質は明らかに変った。以前の砂塵と石炭の燃焼による煙型の汚染から、煙型ブラス排気ガス型の混合汚染になった」と話した。
同主任は、「多くの超微粒子の含有量は明らかに上昇しており、人体への危害は最悪となっている。肺や血液に侵入できるだけでなく、多くの有害物質が付着している。PM2.5の観測は重要かつ緊迫な課題である」と述べ、通常のマスクではこれらの超微粒子を防げないし、空気浄化設備の効果も完全に実証されてはいないと懸念を示した。
中国政府の観測基準とデータについて、一人のウェブユーザーが、「中国はPM1000の粒子に的を絞って観測すべき。そうすれば、中国の大気の品質が最優良になる」と皮肉っている。
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