新疆カシュガルで連続襲撃事件 19人死亡 政府弾圧への報復か

2011/08/02
更新: 2011/08/02

【大紀元日本8月2日】新疆ウイグル自治区カシュガル市で7月30、31日の両日に発生した襲撃事件で、容疑者6人を含め、少なくとも19人が死亡、数十人が負傷した。カシュガル市当局は、事件は反政府組織が仕掛けたテロ攻撃と断定するが、ウイグル人権団体は、事件の背景には中国政府によるウイグル族への長期にわたる弾圧と排除があると反発する。

カシュガル市政府の公式ページによると、30日の事件では、午後11時45分ごろ、同市グルメ街で男性2人が、信号待ちをしていたトラックを乗っ取り、刃物で運転手1人を殺害した後、トラックで通行中の民衆に突っ込んだ。2人はさらにトラックから降りて通行人を次々と襲い、6人を刺殺し、28人にけがを負わせた。乱闘の中、容疑者1人も死亡したという。

この襲撃事件から17時間経った31日午後4時半ごろ、同市香榭大街で容疑者5人が飲食店に侵入して店主と従業員1人を殺害し、店舗に火を放った。その後5人はレストランの外で4人を殺害し、12人を負傷させたという。公安当局は容疑者5人を射殺した。

また、ドイツ国家放送ドイチェ・ヴェレによれば、31日の襲撃事件の1時間前にも、市内で2件の爆発事件が起きており、死傷者は不明。新華社の英文通信では報道したものの、中国語では報じられていないという。

31日の事件について、市当局は反政府組織が「周到に準備したテロ攻撃」と断定している。容疑者への取り調べで、グループのリーダーたちは、ウイグル独立を目指す組織「東トルキスタン・イスラム運動」が運営するパキスタンのキャンプで訓練を受けたことがあると判明したという。

一方、同自治区では18日にもホータン(和田)市の派出所が襲撃され、ウイグル族ら襲撃犯14人が射殺される事件が起きていた。中国政府はこの時も「テロ攻撃」と断定していたが、ウイグル人権団体は、事件の引き金は、同日に行われたウイグル人の非暴力的な抗議活動への武力弾圧だと指摘した。

世界各国のウイグル人組織を統括する「世界ウイグル会議」のスポークスマンのディリシャット氏はドイチェ・ヴェレに、これらの事件の根本的な原因は中国政府によるウイグル族への弾圧と排除にあると指摘。「共産党政権はウイグル族の文化、特に言葉と信仰を破壊している。ウイグル人は経済、宗教、文化などすべての面において共産党政権に抑圧されている」。ディリシャット氏は中国政府に、人権やウイグル族の文化を尊重することこそ、衝突をなくす根本的な手立てだと助言した。

(翻訳編集・張凛音)
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