日中民間関係の問題点および解決方法に関する思索

2006/05/15
更新: 2006/05/15

【大紀元日本5月15日】日本にいる中国人の私が、当然だが日中関係の現状について心配している。現在の日中関係が双方の理想からすれば大きな差がある。なぜこのような現状になったのだろうか?これが深く考えるべき問題である。

最近、日本のマスコミが中国人を対象にして日本に関する認識の調査を行った。その結果からみると、相当な数の中国人は日本がいまだ軍国主義の国家だと思っている。私の学友は博士号を取得した後、カナダに移民してカナダ政府に勤めているが、彼女は日本がいまだ独裁国家だと思っている。これが本当に驚いた。そこで、日中関係の問題のありかがかすかに見えてきた。

現代日本は現代民主国家で、完備された法律体系、互い牽制する政権制度およびその優良な社会秩序を持っている。完備された法律体系が社会の公平を守り、社会の対立をコントロールを失うほど激化することを防いでいる。互い牽制する政権制度で公民には政府を選択する権利を有し、さらに新聞輿論自由を加えれば、政府に対する監督が非常に有効に働く。このような政府、政治法律体系から構成された優良な社会構造と秩序が社会の高速な運行と均衡を保証している。

しかし今日の日本のこのすべてが、ほとんどの中国人が知らない。ほとんどの中国人は中国共産党が杜撰した歴史教科書の中で述べているあの60年前かさらに昔の日本、あの封建体制がすべてを統治する古い日本、あの侵略戦争で書き上げた日本しか知らない。ほとんどの中国人にとって今日の日本に関して経済発達以外ほとんど知られていなかった。今日の日本経済がいかに発展してきたのかは知らない。まして今日の日本の民主自由の社会生活環境をなおさら知らないのである。このように頭に古い日本のイメージしかない中国民衆がなぜ今日の日本に友好的になれるのだろうか?私の学友のように、日本にきたことがなかった、彼女が日本に関するイメージは子供の時受けた中共の教育のみだった。

あの口でずっと日中友好を謳えている中共が日中友好のためになにか努力したのか?なかった!中共は昔も将来も日中友好に関して実質的な努力はしない。これが中共の独裁とその無頼的本性から決定されたものである。中国の経済発展は中共指導層が導いた結果ではない。むしろ中国人の美しい生活へ憧れる天性がもたらしたと中共自身がはっきり知っている。しかし中共、この独裁集団が中国経済の略奪者にして最大な利益を受けたものである。中共独裁集団の略奪のため、今日の中国に10数億の人が非常に不安定な状態で生活することになっている。ほとんどの人が基本的な医療保障がなく、老後の保障もなく、社会治安が極度に悪化し、悪性な暴力事件が絶えず起きて、自然環境も広範囲に渡り深い段階で破壊されている。それでも、中共独裁集団がその私利のために一党独裁統治を守るためにいかなる手段も辞さない。

中共自身もはっきりわかっている、その独裁統治のために国内の矛盾がいずれ暴力でなければ制御できないところまでくる。したがって、そのときに極端な暴力手段での独裁統治の口実を探すため、国内民衆の極端民族主義を誘導し保持することが国内の矛盾をそらし弾圧する重要な方針となった。60年前におきた日中戦争の歴史が中共にとってこの方針を利用するには格好な材料となった。

絶えず中国民衆に、中共政権に益するよう日本の歴史を入力することは、中国の教育と出版を完全に握っている中共にとってたやすいことである。日本が中国の領土に対して野心を抱いていること繰り返して強調することで中国人民が日本を敵視するになる。実際、中共が中国の領土の保持に関してずっと冷淡だった。たとえば中共が外モンゴルの独立を認め、ロシアとの領土会談で清の時代に署名した不平等条約を認め、ロシアに500k㎡の土地を譲った。その面積は台湾140個分に相当する。中共のこのような妥協外交に応え、ロシアは中共に独裁統治を維持する軍事兵器を提供した。このような状況で、中共が中国民衆に現代日本についての理解を増し、日中友好を促進すると期待できるだろうか?まったく期待できないことである。

では、日中友好が本当に望めないのか?いえ、決して望めないわけではない。日中の民間交流を促進し、もっと多くの中国人に現代の日本を理解し、今日の日本の社会本質を知り、さらに日本人に今日の日中友好の困難な局面を形成した本当の原因を知らせる。これこそ、日中友好を増進するよい方策である。その中で永住者、就学生、留学生および研修生などを含む在日華人が日中友好に重要な橋渡りの役割を果たす。

しかし日本に来たすべての華人が日中友好の橋になるとは限らない。彼らの多くは中共につけられた有色メガネおよび中共に注ぎ込まれた日本についてのイメージ(注意しなければいけないことは、このイメージは子供のころから刷り込まれ、感情の一部さえなっている)をもって、さらに中共による強制洗脳後の思惟方式、判断ロジックで日本に渡った。日本に来てから、彼らのなかの相当な人が依然中共に従順し、その消息の源もまた中共が限定した人民日報海外版や中共中央テレビなどのマスコミに限られている。彼らは現代日本社会の政治経済制度および自由民主の精神についてあまり理解していない。中共の日中関係の風向計がすなわち彼らの風向きである。彼らが日中友好の橋になることは考えられない。

一方、日本国内で多くの政府と民間機構の人士が中共の要求にむやみに応じれば日中友好を促進していると考えている。ひたすら中共との関係を強めれば日中関係を改善できると思い込んでいる。実際、私が上述した分析から、これがあくまで儚い願望にすぎない。一部日本政府と民間機構が中共に対する盲目な追従は目を見張るものだった。中共がいいといえば、彼らもいいという、中共が禁止している言論であれば、彼らも口を閉ざしている。彼らが民衆に提供している書籍と新聞がみな中共が審査して裁可したもので、中共が禁止した民主刊行物がまったく姿を見せない。あたかも中共に情報統制を受けているようだ。このような行為の結果が日中友好にとってきわめて有害である。彼らのやり方で一部の日本人が中共の表面的現象にだまされるだけでなく、それら在日華人に中共のロジックが世界中で通用でき、中共のうそは真理だと誤解させられる。

有効な措置をとって、このような局面を徹底的に変えて、中共が在日華人の思想の中につけた檻を破って、彼らに本当に現代日本社会に入り、本当に民主と自由な日本を理解させてからこそ、在日華人を本当な日中友好の橋梁になり、日中友好の新たな局面を形成することができる。

日本政府が手をうって日中民間の交流と理解を強めることが見える。今年からはじめる高校生、中学生の交流計画がその一例である。しかしそれがまだ足りない。もっと多くの有効な措置が使える。たとえば、元北京大学副教授の焦国標氏の文章や中国最大右派・章伯鈞氏の娘の章怡氏の著作や台湾作家・龍応台氏の文章など、公共図書館に深く啓発的な民主人士の著作を導入することができる。新聞欄に「人民日報」のみではなく、「共産党についての9つの論評」を発表した「大紀元時報」のような、客観公正な立場の中国語新聞にも場所を与え、在日華人に異なる声を聞こえ、世界事情に対して全面的、客観的に理解し、判断できるようにする。

それぞれの日中友好の懇親会のときに参加する華人に日本の社会制度や人文環境およびその経済発展および社会公平への貢献を紹介してもいいと思う。そうすると、中共の独裁体制が中国社会の不安定の源で、世界平和の一脅威であることをわかってくれる。日本にいる留学生に対して、各学校の留学生係から的確な講座を開き、留学生たちに現代日本を理解してもらうことができる。みんなの努力によって在日華人が真実の日本を知っていれば、彼らは日本の真実状況を国内の親族や友達に紹介し、中共のうそを突き破り、日中民間の友好関係を強めるだろう。

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