【大紀元日本3月23日】中国の中央銀行はこのほど、偽造精度の高い偽ドル札(Super Note)は、国外から中国に流入し、犯罪組織が密輸、売買などの手段で、偽札のマネー・ロンダリングを図っているという通達を公表した。この種の偽ドル札は北朝鮮が偽造したものと米国政府に指摘されている。いままで、中共は一貫して北朝鮮による金融犯罪を事実上黙認し、摘発に消極的な対策を取ってきた。
偽ドル札の製造で、年間10億ドルを稼ぐ金正日政権
米国政府は北朝鮮が精度の高い偽ドル札を大量に偽造していると指摘してきた。ブッシュ政権の試算によると、偽ドル札の偽造や、麻薬と偽タバコ、偽造したバイアグラなどの薬の密輸など、金正日政権は年間10億ドル以上を稼いでいるという。しかし、北朝鮮政府はこの告発を否認し続けている。
ここ数年、北朝鮮と取引のある国で相次ぎ偽百ドル札が発見された。昨年末、日本の読売新聞の報道によると、1989年末に初めて北朝鮮が製造した精度の高い偽ドル札が発見されて以来、この16年間、米国政府が押収した偽ドル札の総額は4500万ドルに達し、台湾は2004年だけで、1300万ドルの偽ドル札を押収したという。
米国防省の元官僚ブルックス氏は、北朝鮮を「盗賊国家」と名指し、ピョンヤンは「ナチス以来の偽ドル札を偽装する政府で、全世界のドルの重要偽造者」と批判した。
マカオでの北朝鮮のマネー・ロンダリングを黙認した中共政権
1994年6月、中国に返還前のマカオ政府は、偽ドル札を使用する犯罪グループを摘発し、4人の北朝鮮人と1人の華人が逮捕され、犯罪事実を認めた。しかし、その後中共政権はマカオ政府に圧力をかけ、結局、逮捕者たちは1人につき5千マカオドル(約600ドルあまり)の保釈金で釈放され、事件はそのまま棚上げにされた。
さらに、米国政府は昨年、中国領地であるマカオの匯業銀行が北朝鮮のマネー・ロンダリングに関与していると指摘、政府のブラックリストに載っている北朝鮮企業8社は同銀行と緊密な関係を保っていると公表した。昨年9月、米国は北朝鮮への金融制裁を発動した。
外部関係者は、マカオの「朝光貿易公司」は北朝鮮の地下領事館とスパイ組織であると認識している。マカオの業界関係者によると、米国の調査を受けた後、この会社とマカオで運営していた北朝鮮の企業は、全部中国に移転した。経営環境が悪化したためだという。情報によれば、「朝光貿易公司」は中国南部の珠海市に移した。
韓国野党の大国家党の議員・金文洙氏は、2月23日の国会で北朝鮮が偽造した偽百ドル札を提出し、偽造元は中国東北部の丹東市にある北朝鮮企業だという。同議員はこのような長期で大規模な貨幣の偽造は組織によろ犯罪であると指摘、韓国政府に対して、偽ドル問題への対策を強化するよう呼びかけた。
中共政権も北朝鮮製の偽ドル札の被害者に
1月末の「毎日北韓新聞ネット」の報道によると、金正日の側近で、総書記の管財人とも言われている姜尚春氏は、偽ドル札の使用とマネー・ロンダリングの疑惑で、1月11日にマカオで中共公安局に逮捕されたという。この事件について、マカオ政府の公安当局のトップらは、メディアの取材への対応を控えている。
各国が偽ドル札のマネー・ロンダリングの取り締まりを強化する中、中共政権の中央銀行で先日、北朝鮮製の偽ドル札の流入が発見された。これを受け、中共は国内各金融機構に対し、従業員の偽ドル札の識別能力を高めるよう命じ、国内での偽ドル札の流通を遮断する考えである。