トランプ・習近平会談迫る 中国共産党政府が台湾への武器売却巡り警告か トランプ氏は冷静に応じる

2026/09/15
更新: 2026/09/15

予定されているトランプ米大統領と中国共産党(中共)の党首 習近平の会談が近づく中、中共政府が米国に対し、月末までに新たな台湾向け武器売却を承認しないよう警告し、承認すれば習近平の訪米を取りやめる可能性があると伝えたことが、この数日間に報じられた。しかし、トランプ氏は9月13日、習近平が訪米を取りやめることを懸念していないと述べた。

共同通信は9月12日、米中関係に詳しい複数の消息筋の話として、中共政府がワシントンに対し、米国が月末までに新たな台湾向け武器売却を承認した場合、中共側は今回のトランプ・習近平会談を中止すると伝えたと報じた。消息筋によると、中共側は台湾問題が越えてはならない「レッドライン」であると改めて強調した。

トランプ氏は13日、アイルランドでゴルフのオープン大会に出席した際、習近平が訪米を取りやめることを懸念しているかと問われ、「いや、心配していない。われわれの関係は非常に良好だ。彼は良好な関係を望んでおり、われわれも同じだ。われわれはうまくやっていくだろう」と答えた。

米議会は今年1月、台湾に関する最大約140億ドル規模の武器売却計画を可決したが、議会への正式通知には、なお行政府による審査手続きの完了が必要である。米国と台湾の間に正式な外交関係はないが、米国は台湾関係法に基づき、台湾が十分な自衛能力を維持できるよう、防御的な武器とサービスを提供する義務を負っている。

台湾国防安全研究院の研究員、沈明室氏は、トランプ氏が習近平の訪米中止を懸念していないと公に表明したのは、主に最大限の圧力をかける上での心理的優位を示すためだとの見方を示した。

沈氏は次のように述べた。

「トランプ氏はかねて、自らを交渉の達人だと考えている。『まったく心配していない。関係は良好だ』と述べたが、実際にそうであるとは限らない。これは一種の心理戦であり、米国がトランプ・習近平会談を必要としているのではなく、中国の方がこの会談を必要としているとのメッセージを外部に伝えるものかもしれない。これによって、会談中止をちらつかせる中共の手法に対抗している」

中共はこの武器売却に極めて敏感である。複数のメディアによると、5月のトランプ・習近平会談を前に、中国側は非公式に米国側へ武器売却計画の延期と規模縮小を求め、対応を誤れば衝突を引き起こす可能性があると警告していた。

消息筋によると、今回の圧力についても、中共政府が求めているのは、米国が「月末までに新たな台湾向け武器売却を承認しないこと」であり、武器売却そのものを全面的に取りやめることではない。

沈氏は次のように述べた。

「習近平が自ら米国を訪れ、米国に大いに面目を立てる状況で、米国が会談前に同時に台湾への武器売却を発表すれば、深刻な外交的打撃となる可能性がある。しかし、習近平が訪米の延期や中止を表明したからといって、米国が台湾への武器売却を取りやめることはあり得ない。台湾への武器売却も米国の重要な利益だからだ。時機や交渉材料をどちらが握っているかを見なければならない。現時点では、トランプ氏は習近平ほど今回の会談を切迫して必要としていないように見える。習近平は現在、第5回中央委員会全体会議を安定させるために、この会談を必要としている。対応を誤れば、反習近平派から挑戦を受けることになる」

中共の商務部は先週、「限定的な関税引き下げ」の情報を発表した。同時に、中共の国有貿易企業が米国産大豆100万トンを追加購入した。いずれもトランプ・習近平会談を前にした友好的なシグナルとみられている。

米中間の貿易「休戦」措置は11月10日に期限を迎えるが、現時点で包括的な合意に達する兆しは見えていない。評論家は、双方とも現在、関係を悪化させることを望んでいないと分析している。

沈氏は次のように述べた。

「貿易上の休戦措置は11月に期限を迎える可能性があり、情勢が変化すれば市場の変動を引き起こす恐れがある。中国は国内経済の深刻な後退に直面する可能性がある。米中関係が完全に決裂して新たな関税措置に直面すれば、中国経済は一層悪化する。政治面では、中国は大国首脳による国賓訪問を通じて米国と対等に向き合い、国内向けに外交的勝利を宣伝する機会を失うことになる。国際的な孤立もさらに深刻になる」

米国在住の時事評論家、藍述氏は次のように述べた。

「双方とも、米中関係が極めて緊張した状態になることを望んでいない。この前提に立てば、米中間の最高レベルの対話は、実際には比較的良い選択肢である。もちろん、このほかにも、米中間には経済・貿易に関して対話を必要とする多くの問題がある。特にレアアースや石油などである。そのため、トランプ氏は習近平が訪米を取りやめることを恐れていない」

前回のトランプ・習近平会談後、トランプ氏は米国へ戻る大統領専用機内で記者団に対し、習近平と台湾問題について極めて詳細に協議し、台湾への武器売却も議題になったと述べた。その上で、武器売却については自らが決定するとした。

トランプ氏はまた、台湾海峡で衝突が起きた場合に米国が台湾防衛のため出兵するかと、習近平から直接尋ねられたことを明らかにした。これに対し、「そのことについては話さない」と答えたという。トランプ氏は、台湾問題を巡って習近平にいかなる約束もしていないと付け加えた。

米下院は7月、2027会計年度の国家安全保障・国務省歳出法案を可決した。法案には、「対外軍事融資(FMF)」計画を通じて台湾に5億ドルの無償軍事援助を提供する内容が含まれており、米議会が引き続き台湾の防衛を強く支持していることを示している。