複数の米メディアが報じたところによると、今月25日、CIAのラトクリフ長官が極秘裏にモスクワを訪問し、ロシア側の政府関係者と複数回にわたって会談した。
報道によれば、ラトクリフ氏は24日にワシントンを出発してラトビアに到着し、25日の早朝、米軍の輸送機C17「グローブマスターIII」に搭乗し、リガからモスクワのヴヌーコヴォ航空へ到着した。
CIA長官就任後、ラトクリフ氏がモスクワを訪れるのは初めて。トランプ政権発足後、米政府高官による訪露としては最高位の訪問となる。
消息筋によると、米側は出発前にウクライナへ通知し、米代表団が出発するまで、ウクライナ側にすべての攻撃を一時停止するよう求めたという。
CIAはコメントを避けているが、今回の電撃訪問をめぐっては、さまざまな憶測が飛び交っている。
まず考えられるのが、ロシア・ウクライナ戦争の膠着状態を打開することだ。米側がわざわざウクライナ側に軍事行動の一時停止を求めたことから、今回の訪問では、停戦をめぐる双方の譲歩可能な最低ラインや、秘密裏に準備された提案について協議した可能性が高い。
次に、イランとその同盟国への牽制である。訪問前日の24日、米財務省はイランを全面的に孤立させることを目的とした「経済的追放作戦」に着手したばかりだった。イランの中核的な戦略パートナーであるモスクワが、その影響を受けるのは当然だ。今回の訪露では、米側がロシアに制裁の詳細を伝え、イランへの支援を縮小するよう「警告」を発した可能性もある。
注目されるのは、ラトクリフ氏が「軍用ジャンボ」とも呼ばれる巨大なC-17輸送機に搭乗し、その飛行経路を隠すことなく移動したことだ。航空機追跡サイトによって、その動向は世界中から把握されていた。米側は明らかに、完全な秘密裏の訪問を目指していたわけではなく、意図的に「半公開」の形にしたとみられる。まさに「密かに赴きながら、その動きを世界に知らしめる」という演出だ。
分析では、米側の狙いは一方で、モスクワの懐に直接入り込む能力を持っていることを国際社会に示すことにあると指摘されている。他方、相手国の本拠地へ直接乗り込むこうした大胆な外交は、極めてドラマ性が高く、「型破りで、果敢かつ強硬」というトランプ政権の一貫したスタイルにもよく合致している。
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