米国がイラン港湾を封鎖 中国の独立系製油所の原油供給がひっ迫

2026/08/24
更新: 2026/08/24

米国が7月13日にイランの港湾と海運に対する海上封鎖を再開して以来、イランの海上輸出は深刻な打撃を受け、中国の買い手がスポット市場で購入できる原油が急速に枯渇している。

Kplerのデータによると、現在、ペルシャ湾内では少なくとも4100万バレルの原油と、空荷のタンカー22隻が米軍の封鎖によって足止めされており、新たなタンカーはほとんどホルムズ海峡を通過できていない。これはイランにとって打撃であるだけでなく、同国産原油の主要顧客である中国の独立系製油所、通称「ティーポット」製油所または地方製油所にとっても大きな打撃となっている。

シンガポールおよび東南アジア周辺海域にあるイラン産原油の洋上在庫は、ピーク時の1億500万バレルから約8千万バレルへ急減した。このうち未販売なのはわずか約10%で、超大型原油タンカー約2隻分に相当する。これにより、中国の独立系製油所では原油供給がひっ迫している。

中国の独立系製油所、「使える原油がない」窮地に

供給の枯渇を受け、これまで長期にわたり割安で販売されてきたイラン産軽質原油の価格は大きく逆転した。今週、イラン産軽質原油の提示価格はICEブレント原油先物を1バレル当たり最大3.50ドル上回る水準に転じた。わずか1週間前には、約3.50ドルの割安水準で取引されていた。

ブルームバーグによると、Kplerのシニア原油アナリスト、ムユ・シュー氏は、「買い手は、9月下旬以降の引き渡し分から、新たなイラン産原油の供給がほぼなくなる状況に直面する可能性がある」と述べた。

ロイター通信や業界データによると、中国の精製能力の約5分の1を占める山東省の独立系製油所は、イラン産原油の最大の買い手である。アナリストは、9月下旬以降、これらの独立系製油所が「新たなイラン産原油をほぼ購入できない」状況に直面し、ブラジル、イラク、ロシア産原油の調達へ切り替えるか、10月以降、稼働率の引き下げを余儀なくされると警告している。

Kplerのデータによると、中国が8月にイランから輸入した原油は日量約53万4千バレルにとどまり、2025年の日量平均140万バレルから大幅に減少した。

米中の外交的駆け引き

スコット・ベッセント米財務長官は8月20日、米国は「海上封鎖+史上最も厳しい制裁」という二段構え(One-Two Punch)によって、イラン政権を全面的に瓦解させようとしていると述べた。トランプ大統領も、イランに経済的救済を提供するいかなる国も深刻な経済的結果に直面すると警告した。

ベッセント氏は公に中国共産党(中共)政府へ呼びかけ、中国はエネルギーの50%をペルシャ湾に依存しており、米国の行動に協力してホルムズ海峡を再開することは中国側の利益にかなうと指摘した。

中共の駐米大使館はその後、「制裁と圧力は問題解決の助けにはならない」と反応し、関係各方面に対し、政治的・外交的手段を通じて危機を解消するよう呼びかけた。

李言