米政府 ICC赤根所長ら2人を制裁指定 

2026/08/19
更新: 2026/08/19

米国務省のルビオ長官は8月18日、国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)の赤根智子所長と、セネガル出身のICC上級公判弁護士アブドゥライ・セイ氏の2人を制裁対象に指定したと発表した。

指定は2025年2月6日にトランプ大統領が署名した大統領令14203「ICCに制裁を科す」第1条(a)(ii)(A)に基づくもので、両氏について「管轄権に同意していない政府の当局者を捜査、逮捕、拘束または訴追しようとするICCの取り組みに直接関与してきた」ことを理由に挙げた。

ルビオ長官は同日の声明で、ICCを「腐敗し、致命的に政治化した超国家的裁判所」であり「悪意をもって権限を乱用し、与えられた任務を超えている」と表現。共同通信によると、米国はICCに加盟しておらず、これまでもイスラエルのネタニヤフ首相への逮捕状発付やアフガニスタンで戦闘に加わった米兵への捜査を巡り、ICC関係者への制裁を重ねてきた。

時事通信によると、指定によって赤根氏とセイ氏の在米資産は凍結され、米国の金融システムの利用が事実上できなくなるほか、米国への渡航が禁止される。

ロイター通信によると、財務省は同日、9月17日までの取引の巻き戻し(ワインドダウン)を認める一般許可も発出した。

取引の巻き戻しによって、赤根氏・セイ氏と関わりのあった米国側の当事者(銀行、契約相手、ICC関連業務に携わる米国人など)は、進行中の取引を清算・終了させることが認められる。ただし新たな取引を始めることは禁止される。

ルビオ長官は2026年7月13日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿で「あらゆる手段を駆使してICCを解体する」と主張し、同盟国に脱退を働きかける方針を表明していた。国務省も同日、ICCを「米国の主権に対する許容できない脅威」と位置づけ、圧力強化に着手すると表明していた。

ルビオ氏は18日の声明でも「解体するまで組織的な取り組みを続ける用意がある」とし、他国にも資金拠出や参加の終了を呼びかけた。

赤根氏を巡っては、これに先立つ2025年12月12日、モスクワの裁判所が同氏を含むICC関係者9人に対し、欠席裁判で懲役3年6月〜15年の有罪判決を言い渡している。共同通信によると、ロシア当局は、ICCが2023年3月にウクライナ侵攻を巡ってプーチン大統領に発付した逮捕状を違法だとして、赤根氏らを指名手配していた。

日本政府は2007年7月に国際刑事裁判所(ICC)の設立根拠となる条約、ローマ規程の加入書を寄託し、同年10月に正式にICC加盟国となっている。

高市早苗首相は2026年1月7日、帰国中の赤根氏の表敬を受けた際、「日本人のICC所長として責務を果たしている赤根所長に敬意を表する」と述べ、日本政府としてICC及び赤根所長を支援していく考えを示した。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます