中国の対日規制後 国会議員が北京で協議模索

2026/08/25
更新: 2026/08/25

今回の訪中は、高市早苗首相の台湾有事を巡る発言を受け、中国が渡航制限や輸出規制を導入した後に行われた。

 

日本の国会議員3人は8月24日、北京に到着した。高市早苗首相による、中国が台湾を攻撃する可能性についての発言を巡り、日中関係の緊張が数か月間続き、中国側が規制措置を導入する中、議員レベルの政治対話の窓口を設けることを目指している。

時事通信によると、議員団は、高市氏が率いる与党・自民党の橋本岳氏、野党・中道改革連合の伊佐進一氏、公明党の川村雄大氏で構成される。3人は8月27日まで中国に滞在し、中国共産党中央対外連絡部の幹部との会談を調整している。

今回の訪問は、両国間の正式な交渉ではなく、議員間および政党間の交流である。日本政府が台湾に関する立場を変更したことを示す声明は出ていない。

伊佐氏は8月19日のXへの投稿で、自身とほかの議員が意思疎通の窓口の必要性について協議し、意見交換のため中国を訪問することを提案したと説明した。中国共産党(中共)側は提案を受け入れたという。

伊佐氏は、議員団として日本の国益と立場を直接伝える考えを示した。

台湾発言が対立の引き金に

対立の発端は、2025年11月7日に開かれた衆議院の審議である。

国会の公式会議録によると、高市氏は、「中国による台湾の海上封鎖」が、どのような場合に日本の法律上の「存立危機事態」に該当する可能性があるかを問われた。

高市氏は、軍艦が使用され、武力の行使を伴う場合には、現行法の下で日本が集団的自衛権を行使できる存立危機事態に該当する可能性があると答えた。

高市氏は、台湾を巡って日本が自動的に戦争へ参加するとは述べていない。

2025年11月10日に改めて質問を受けた高市氏は、実際に危機が発生した際の状況に基づいて判断すると説明した。衆議院の会議録によると、発言の撤回は拒んだが、今後は特定の仮定上の事例について、これほど明確に議論することは避けると述べた。

日本政府はその後、国会への正式な答弁書で、政府の従来の法的立場に変更はないと説明した.

2025年12月8日、国会で開かれた衆議院本会議で、野党議員の質問に答える高市早苗首相(Kazuhiro Nogi/AFP via Getty Images)

台湾は民主的な自治を行っている。中共政府は台湾を中国の一部と主張し、台湾を支配下に置くための武力行使を排除していない。台湾は中共政府による主権の主張を拒否している。

統合幕僚監部によると、2025年度に戦闘機が緊急発進した回数は595回で、このうち366回は中国機と判断された航空機に対するものだった。2022年8月に中共軍が台湾周辺で演習を行った際には、中共の弾道ミサイル5発が沖縄南西の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと防衛省が発表した。

中共、抗議から規制措置へ

高市氏の発言に対する中国の対応は、間もなく外交上の批判を超えて規制措置へ広がった。

中国文化観光省は11月、高市氏の台湾に関する発言に加え、日本国内の中国人に安全上の問題があると主張し、中国国民に日本への渡航を避けるよう呼びかけた。

中国商務省は1月6日、日本の軍事利用者向け、日本での軍事利用向け、および日本の軍事能力の向上に寄与する可能性のあるほかの最終利用者や用途向けのデュアルユース品の輸出を禁止した。措置は即日発効した。

商務省は措置の理由を説明する際、高市氏の台湾に関する発言を明示的に挙げた。

中共はその後、2月と6月に日本に関する規制を拡大した。商務省はその都度、日本の20団体を輸出管理リストに掲載し、さらに別の20団体を、最終利用者と最終用途についてより厳格な審査を受ける監視リストに掲載した。

経済産業省は6月30日、重要鉱物に関する中国の規制と日本を対象とした輸出規制により、許可手続きの遅延、税関審査の長期化、日本企業への影響が生じていると説明した。

大紀元が確認した中国税関のデータによると、1月から7月まで、金属ジスプロシウム、酸化ジスプロシウム、金属テルビウム、酸化テルビウムを対象とする四つの品目コードで、中国から日本への輸出はなかった。ジスプロシウムとテルビウムはいずれも重希土類で、高性能磁石などの先端産業用途に使われる。

日本国内で批判と支持

今回の訪中を巡っては、議員団が何を達成できるのか、誰の利益のための訪問なのかを疑問視する日本の政治家から批判が出ている。

日本保守党の北村晴男参院議員は8月22日のXへの投稿で、参加する議員らが「中国共産党が喜ぶこと」をしていると批判した。

一方、関係が悪化しているからこそ、追加の対話窓口が重要だとする意見もある。

愛知県議会の河合洋介議員は8月24日のXへの投稿で、日本は中国との複数の対話窓口を維持しながら、安全保障、人権、経済に関する懸念を提起すべきだと記した。

「特に関係が悪い時こそ」とした上で、政府間の接触に加え、議員、経済、文化交流を通じた窓口を維持することは、日本の国益を守るための「現実的な外交」であると述べた。

伊佐氏は8月19日の投稿で、これまで緊張が高まった時期にも保たれていた日本の外交担当者と中国各省庁との接触が、現在ではほぼ失われたと説明した。

日中いずれも、政府レベルの定期対話の再開を発表していない。

歴史と国家安全保障の修士号を持つ退役軍人である。エポックタイムズに意見記事を執筆。