産業規模で行われる強制的な臓器摘出は共産主義の産物

2024/10/23
更新: 2024/10/23

中国共産党政権が法輪功学習者から生きたまま臓器を摘出するという忌まわしい行為は、史上類を見ない邪悪だ。これほどの規模で、人々が信条のために迫害され、その後利益を生むビジネスのために殺害された例はこれまでになかった。

18年間、国際社会は血まみれの金が行き交う臓器収奪の産業に関するニュースや情報を接し、段階的にその恐怖と邪悪さを認識しているものの、透視できているわけではない。共産党はなぜ残忍な迫害行うのか、なぜ統治手法は強引なのか。

中国共産党は市民の投票によって権力を任せられているというわけではない。共産党が中国で権力を強奪し、トップダウン式で強引にも政権を維持している。中国人が共産党政権を望んでいるわけではなく、中国人は中共によって人質に取られているようなものだ。

このように、強引な統治体制を敷く中共には一つの巨大な懸念要素がある。つまり、もし中国人が自分たちの自由が奪われたことに気づき、覚醒し始めたら、どのような事態をもたらすのかということである。中共は中国人の寝覚めを防ぐためにあらゆる行動を取ってきた。一党独裁国家は、党以外の意見が中国人の耳目に入らないようにしなければならない。

宣伝、つまり「虚偽情報省」とも呼べるものを通じて、中共の意向とは異なる独立した思考を圧殺してきた。2017年、英紙フィナンシャル・タイムズは、中国最高裁判所のトップが中共は憲法よりも上位にあると述べたと報じた。要するに、中国共産党は自らの支配外にあるもの、たとえそれが憲法であっても、何も許容しないのである。

共産党から独立している思考を根絶するために、中共は力と抑圧に頼らざるを得なかった。1989年の学生による民主化運動は、中共が他の意見を抑え込むためにどういった手段を選ぶのかが明白となった近年における最も有名な例である。6月4日の抗議は、少なくとも3000人の学生の虐殺で終わったが、米国の9.11における死亡者数と等しい。

自国民に対する致死的な武力行使は、中共の特徴である残虐性を明らかにしている。歴代の共産党、ソ連共産党、カンボジア共産党なども同様である。

また、真実が市民に届かないように、厳格に情報を管理することが共産党にとって肝要である。1989年の天安門事件の情報は中国におけるインターネット検索エンジンでは見つけることができず、関連キーワードもヒットしない。

現在もみられる中共の残忍な行為は、1999年から続く法輪功に対する迫害である。単に法輪功学習者が道徳的価値観に従って生きているのにもかかわず、中共は迫害を決定した。なぜ迫害するのか。実際の健康効果が話題となるとともに、精神衛生にも顕著な好影響をもたらしたことで、法輪功を愛好する人数が共産党員(関連組織を含む)を超す勢いで急増した点、また無神論を唱える共産党とは対照的に神仏を敬うとともに、道徳の向上を目指すため、「闘争哲学」を推し進める共産党とは価値観が異なる点が共産党の刺激する要素となった。

中共の目から見れば、法輪功学習者は法律と憲法の保護に値しない。彼らは強制労働と拷問の対象となる生きた「人体の塊」である。強制労働は利益を生み、拷問および虐待は共産党にとって「不要な」市民を根絶する手段である。中共はこの二つを組み合わせることを決定した。「不要な者たち」を移植用臓器の利益を生む財源に変え、臓器を収奪する過程で彼らを殺害するのである。

共産主義社会の内側から強制臓器摘出を批判することは不可能に近い。国家を訴えることは違法だからだ。臓器収奪に関する倫理的な懸念は圧殺される。慈悲の余地はないからである。そして臓器収奪に関する報道は沈黙か、歪められる。真実は共産党の敵だからである。

強制臓器摘出は共産主義の産物である。それは中国に限定された虐待行為ではない。共産主義や権威主義社会で、人質たる人民に共産主義以外の理念を根絶する方法として、臓器収奪が行われうる。

7月に、法輪功保護法案が上院に提出された。この法案は中国における強制的な臓器摘出を抑制するための穏健な試みである。年内に可決されれば、現在中国で使い捨ての、利益を生むバイオマスとして扱われている人々に希望を与えるだろう。

法輪功保護法案を可決することは、自分自身のために声を上げることができない人々への思いやりと慈悲を表明し、信条のために人々を殺すことは犯罪であると中共と国際社会に強い警告を送ることになるだろう。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
医学博士。医療倫理擁護団体「強制臓器奪取に反対する医師の会(DAFOH)」の創設者兼事務局長で、中国での臓器狩り問題に反対する世界的運動の主導者の一人。同問題に関する書籍を共著で多数出版し、医学雑誌にも広く発表している。 受賞歴のあるドキュメンタリー映画 「人狩り 中国の違法臓器売買」に出演したほか、書籍「中国の移植犯罪 国家による臓器狩り」の共同編集者も務めた。
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