経済 投資にはあまりにもリスクが大きい

米ベンチャーキャピタル 中国への資金流入、急速に枯渇

2024/07/20
更新: 2024/07/20

中国共産党(中共)が、ゼロコロナ政策を解除して以来、アメリカの投資家が中国から離れ、中国のスタートアップ企業への米国資金が急速に減少している。

スタートアップ企業を追跡するPitchBookのデータによれば、2021~2023年にかけて、米国の投資家を含む中国のスタートアップ企業向けの取引は88%も減少し、470億ドルから56億ドルに落ち込んだ。

この状況は、20年前に米投資家が中国に殺到した様子と対照的である。香港の「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」によると、業界関係者や市場データは、中国のベンチャーキャピタル業界が大きな変化を経験していることを示しており、それは米国の投資家と中国のスタートアップ企業の20年にわたる関係が終わりを迎えようとしていることを示している。

同時に、ワシントンは半導体、人工知能、量子コンピューティングなどの分野で米国の対外投資に対する監視を強化している。2023年に、米国のベンチャーキャピタル企業、GGVキャピタル、GSRベンチャーズ、クアルコムベンチャーズ、ウォルトンインターナショナルは、中国の敏感技術分野への投資で、米国議会委員会の調査を受けた。

米国のベンチャーキャピタル企業は撤退しつつある。ある企業は中国業務を米国業務から分離し、他の企業は中国での新規投資を停止している。ニューヨーク大学の法学教授、マー・ウェンイェン氏は「このサイクルは断ち切られた」と述べ、米国のファンドと中国のテックスタートアップ企業の間の距離がさらに拡大すると予測している。

Dealogicのデータによれば、2023年には、外国資本の中国ベンチャーキャピタル業界への投入は60%も減少し、37億ドルにとどまった。これは2021年のピーク時の10%に過ぎない。

さらに、中共地方政府と国有企業がベンチャーキャピタル業界に介入し、主要なプレイヤーとなったことで、業界の商業構造は大きく変わった。清科企業のデータによれば、2023年までに中国は2086の政府導入ファンドを設立し、目標規模は12.2兆元、約7.13兆元の資本を約束していたとする。

このような国家支援ファンドの拡大は、中国のベンチャーキャピタル業界の将来に対する議論を引き起こしている。これらのファンドは通常、リスクを避け、地元への投資を優先する。また、政府の介入によって市場主導の資本が撤退を加速させている。

易凱キャピタルの創設パートナー兼CEOであるワン・ラン氏は最近の講演で、中国の一次資本市場は「死んでいる」と述べ、政府ファンドが主導権を握り、損失に対して非常に敏感であることを指摘した。

「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は、上海の中国ベンチャーキャピタル業界匿名幹部の話を引用し、多くの企業が国有投資家のスタイルに適応しようとしているが、この転換は容易ではないと報じている。

林燕
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