木原稔防衛相は10日の記者会見で、国産の長射程ミサイルの配備時期を2025年へ前倒しを検討するよう防衛省に指示したと明らかにした。中朝露の軍事的脅威が高まり、「戦後最も厳しく複雑な安全保障状況」に直面するなかで、国民の命と暮らしを守るために必要不可欠だと強調した。
木原氏によると、就任後のヒアリングで日本を取り巻く厳しい安全保障環境を実感し、「スタンドオフ防衛能力の構築を前倒しで実施する必要があると判断」したという。4日の日米防衛相会談を通じて巡航ミサイル「トマホーク」の導入を1年早めるとともに、国産の全種類の長射程ミサイルの早期配備に向け検討するよう指示した。
スタンドオフ・ミサイルはより遠方から敵の部隊を攻撃することができる兵器として、導入が進められている。
日本を取り巻く状況について、中国軍の空母による西太平洋での訓練や、北朝鮮による固体燃料推進方式の新型の弾道ミサイルの発射、中露の艦艇と爆撃機による日本周辺の共同訓練などをあげ、「いつ、いかなる形で、力による一方的な現状変更が起きるかは予測が困難だ」と危機感をあらわにした。
北朝鮮とロシアとの連携強化にも触れ、関心を示した。
木原氏は「こうした厳しい安全保障環境において、国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜くために、トマホークの前倒しを進め、スタンドオフ防衛能力の構築の前倒しを行うことが必要」であり、検討を重ねることで早期に具体化していく考えを示した。
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