「法輪功学習者に対する臓器収奪は人類史上類を見ない犯罪行為だ」
中国共産党による法輪功迫害が24年目に突入するなか、日本の国会議員は残虐な行為を非難した。そのような蛮行を看過すれば日本人も同じ目に遭う恐れがある。懸念は高まるばかりだ。
多くの無実の人々が拘束され、拷問を受けている事実を知ってほしい。そのような思いで、日本の法輪功学習者は週末にかけて大阪と京都でパレードを行った。隣国で起きている悲惨な現実を知った民衆は、声援を送った。
迫害は「あかん」 大阪府民
シュプレヒコールがなく、色鮮やかな衣装とリズム感あふれる音楽で行進するパレードに多くの通行人は関心を寄せた。通行人の大原修真さんは「パレードは平和的でいいこと」であり、日本政府は国民に対して中国共産党の人権侵害を周知させるべきだと語った。「SNSで拡散していけば、世界中に問題(への関心)が広まっていくと思う」とし、個々人にもできることがあると述べた。
土屋保さんは、共産党の迫害は「あかんわな」と述べ、民主化しなければ現状も変わらないとの見方を示した。小林明彦さんは「信じるものは救われると思う。それは絶対必要だろう」と信仰の大切さに心を寄せた。「早く民主化することが一番。頑張ってください」とエールを送った。
中共の蛮行、看過できない
法輪功迫害に関する真実が広まるにつれ、政治家や要人も中国共産党に反対の声を挙げ始めている。
パレード前の集会に参加した長尾敬前衆議院議員は「今法輪功の皆さんが受けている弾圧は、このまま放置すると将来の日本人の姿になってしまう」と危機感を示した。迫害の深刻さをより多くの人々に知ってもらうことで、中国共産党の恐ろしさに対する認識を喚起したいと語った。
衆議院議員の石橋林太郎氏は法輪功学習者にメッセージを寄せ、「法輪功をやっている、ただそれだけの理由で連行されることなど本来あってはならない」と強調。中国共産党は「自由や人権、民主主義や法の支配を重んじる我々にとっても明白な脅威」であり、「強制臓器収奪などという蛮行は決して看過できない」と強く非難した。
参議院議員の山田宏氏は、法輪功学習者に対する中国共産党の臓器収奪は「人類史上類を見ない犯罪行為」だと指摘した。日本政府は中国共産党の非道な人権侵害に対し強く抗議すべきであり、停止させるための行動を取るよう呼びかけた。
江沢民告訴に携わってきた弁護士の徳永信一氏は、海外で活動する中国共産党の秘密警察に言及し、「監視されていることを覚悟した上で、世間に真実を訴えるみなさんの勇気に大変感動している。一人ひとりの勇気こそ、人間の良心である」と言葉を震わせた。
和田雄一郎衆議院議員と評論家の三浦小太郎氏もメッセージを寄せた。
1999年7月20日
法輪功(ファールンゴン)は中国の伝統的な気功修煉法として、1992年に伝え出された。「真、善、忍」の教えを重んじ、坐禅とゆったりとした動作で心身の状態を高めていくものだ。優れた健康増進効果があったため口コミで広がり、最大1億人もの人々が学んだと推定されている。
弾圧が始まった1999年当時、中国共産党の党員数はおよそ6000万人だった。当時の最高権力者・江沢民は共産党の統治基盤が揺さぶられかねないとの恐怖から、同年7月20日に弾圧を断行した。
弾圧開始当時、北京に駐在していた調査ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏はおぞましい光景を振り返った。「私が北京のテレビ局で仕事をしていると、法輪功は違法であるとの発表があった。人々は私のオフィスに駆け込んできて、テレビで法輪功について話していると言った」。ガットマン氏が外に出ると、拡声器を載せたトラックが走り、法輪功を誹謗中傷した。オフィスにいた何人かの女性は泣き出し、そのうちの一人が「まるで文化大革命の再来だわ」と言った。「ひどく動揺した」とガットマン氏は語った。
未曾有の迫害
1999年以降、数百万人の法輪功学習者は拘置所や労働収容所、刑務所そして精神病院に拉致監禁されてきた。生存者の証言によると、監禁施設では信仰を放棄させるため、法輪功学習者に対する拷問と虐待が常態化している。
半年前に中国から逃れた法輪功学習者の田さんは取材に対し、自身が受けた迫害について語った。拘束されたのは3年前、中国の自宅にいたときだった。中共警察は田さんに信仰を放棄させるため、監禁施設で拷問を加えた。睡眠と食事を与えず、トイレにも行かせなかった。殺人犯や麻薬中毒者など6人の受刑者から24時間体制で監視された。
「彼らは私を細長い椅子に座らせた。少しでも体が動いたり目を閉じれば、激しい暴行を加えられた。何度も気を失った」と田さんは語った。「1週間は細長い椅子に座らせたまま。次の1週間は真っ直ぐ立たされたまま。そしてその次の1週間はしゃがんだままにさせられた。このような拷問が延々と続いた。文字通り、死の淵を彷徨った」
法輪功の情報サイト「明慧ネット」によると、情報が確認できる範囲内では少なくとも4974人が迫害により死亡した。証言からは、性的暴行や強制摂食、スタンガンによる電気ショック、棍棒による殴打、有害化学物質の注射などの拷問が用いられていることがわかる。
生きた法輪功学習者から臓器を摘出し、移植用に売買する「臓器狩り」の行為も横行している。医師や法律家からなる国際組織「ETAC」によると、中国での肝臓移植件数は法輪功迫害を境に急増、2000年の移植件数は前年比10倍の増加となった。
夜明け前に
中国共産党の残酷な迫害が始まってから24年の歳月が過ぎた。中国共産党の様々な非合法的な手段が国際社会で糾弾されるなか、「真・善・忍」で自らを高める法輪功学習者への理解は着実に広がっている。
米下院議員のスコット・ペリー氏は「法輪功保護法案」を発表、法輪功弾圧に加担した者を処罰するよう求めた。6月にはテキサス州のグレッグ・アボット知事が臓器狩り対処法案に署名し、法的手段を用いて臓器狩りを阻止する米国初の州となった。
台湾では台北や桃園、新北、台南などの地方議会で臓器狩り厳罰化を求める議案が立て続けに成立した。新北市市議の周勝考氏は「臓器の強制的な摘出は絶対に許されない行為だ」と強調し、戴瑋姗市議は「台湾は民主主義と人権の灯台であり、中共の暴行を断じて許容することはできない。議案は党派を超えた全面的な支持を得ている」と語った。
幼児を連れた山田さんはパレードを見て、日本政府から中国に対して「働きかけがもっと積極的にできるようになるといいなと思います」と述べた。シアトルから来日したDaniel Geraghtyさんは「彼らを応援している。自らの信仰について声を上げることは良いことだ」とし、「迫害に負けずに活動を続けてほしい。そうすればきっと物事は変わると思う」と語った。
長尾敬氏は取材に対し「明けない夜はない」と述べた。「仲間は全世界にいる。中国国内で苦しい思いをされている方には、どうか希望を持って活動を継続してほしい」と励ました。
石橋林太郎氏はエポックタイムズの取材に対し、日本の課題は「実態調査がまだできてない」ことだと指摘。「実態調査をきちんと政府が行なっていく、そして政治が後押ししていくことはとても大切」だと述べた。
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