中国への否定的な感情73%…カナダで増加 越境弾圧に懸念=世論調査

2023/05/23
更新: 2023/05/23

中国を否定的に捉えるカナダ人の割合が2019年から16%以上増加していることがカナダの調査会社ナノス・リサーチの世論調査により明らかになった。人権問題を指摘したカナダ国会議員への脅迫問題が影響したとみられる。

ナノス・リサーチは4月30日から5月3日にかけて、カナダの成人1080人を対象に調査を行った。その結果、「中国がカナダにとって価値ある貿易相手国になるか」との質問に対し73%が否定的な見方を示した。その内訳としては、41%が「否定的」、32%が「やや否定的」となった。

2019年に同社が実施した同様の調査では、「否定的」と答えた回答者は25%に過ぎなかったことからここ数年で対中感情悪化が進んでいることがわかる。一方で、中国に対して「肯定的」または「やや肯定的」な見解を持つカナダ人は11%に留まった。

こうした対中感情悪化の要因についてナノス・リサーチのニック・ナノス会長は、中国の内政干渉を挙げ、自国の利益を追求する中国のアプローチは、カナダ人の一部には「不愉快」に映ると分析した。

また問題視されている中国の人権弾圧を念頭に、中国共産党との関係はカナダにとって「大きな政治的リスク」と見されていると付け加えた。

カナダ政府は8日、野党・保守党のマイケル・チョン議員と香港在住の親族を脅迫したとして、在トロント中国領事館の外交官・趙巍氏の追放を発表。チョン氏は中国共産党のウイグル人に対する人権弾圧を「ジェノサイド(大量虐殺)」と認定する同義を提案していた。

これに対して中国外務省は、報復措置として上海のカナダ領事館勤務の外交官1人を追放すると発表した。さらなる追加措置を講じることも示唆している。

調査では、エネルギー面での提携についても中国(72%)がロシア(85%)に次いで「抵抗ある国」に挙がった。一方、オーストラリア、ドイツ、米国が「好ましい」エネルギーパートナーとして選ばれた。

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