北朝鮮ハッカー組織、過去最大の仮想通貨ハッキング実行=米FBI

2022/04/18
更新: 2022/04/18

人気オンラインゲーム「アクシー・インフィニティ」ソフトウェアに対するハッカー攻撃で6.15億米ドル(約780億円)相当のデジタルキャッシュ仮想通貨)が盗まれた事件で、米連邦捜査局(FBI)は14日、北朝鮮のハッカー集団「ラザルス・グループ」と「APT38」の犯行であると発表し、金正恩政権がこうした手口で資金を調達していると指摘した。

このハッカー事件の被害額は仮想通貨の分野では過去最大とみられる。

米当局は、ラザルスが北朝鮮諜報当局の管理下にあるという調査結果を明らかにした。米財務省外国資産管理局(OFAC)は14日、盗まれた資金を受け取ったイーサリアムウォレットのアドレスを制裁リストに加えたと発表した。

ラザルスは、2014年のソニー・ピクチャーズ エンタテインメントへのハッキング、17年のランサムウェア「WannaCry」攻撃など、複数の大規模なサイバー攻撃に関連したと疑われている。

北朝鮮政府はこれまでにハッキングにより数億ドルの仮想通貨を獲得したとみられる。

米財務省報道官は「北朝鮮が米国と国連の強力な制裁を受ける中、大量破壊兵器と弾道ミサイルの開発資金を作るためにサイバー犯罪を含む違法行為に頼っている」と述べた。

米ブロックチェーン分析会社のイリプティクによると、今回の制裁によって、米国の個人および団体が問題のイーサリアムウォレットと取引することが禁止され、ハッカーは米国の暗号通貨取引所に保有する盗難金を現金化できなくなる。

米国籍の暗号専門家でもあるバージル・グリフィス被告はこのほど、北朝鮮が制裁を逃れるために仮想通貨を使用するのを幇助したとして、5年の禁固刑と10万米ドル(約1270万円)の罰金を言い渡された。

 

(翻訳編集・叶子静)