中国共産党政府が丸腰の学生たちを武力弾圧した1989年「六四天安門事件」から4日で31年を迎える。中国はいまだに「報道の自由」は最悪レベルであり、拘束されたジャーナリストの数は世界で最も多い。国際NGO「国境なき記者団」が最新報告で指摘した。
同記者団は6月2日、天安門事件の31回目に合わせ報道の自由年次報告書を発表した。「学生たちは、報道の自由は中国憲法35条によって保護されるよう訴えた。しかし、31年経った今も中国の国家機関と中国共産党は報道の自由を無視し、抑圧を世界各地に広げ、国際舞台での報道の自由を攻撃し続けている」とした。さらに「中国(共産党)は報道の自由の最大の敵」と表現した。
国境なき記者団が発表した2020年の報道の自由に関する世界180カ国のランキングでは、中国は177位。少なくとも113人のジャーナリストが拘束されており、世界で最多となっている
国境なき記者団東アジア事務総局長のセドリック・アルビアーニ氏は、「31年前、報道の自由を含む基本的な自由を求めた何千人もの抗議者が虐殺された」とし、「中国の権威主義的なモデルには、多くの力で対抗しなければ、天安門の抗議者が無駄死にするだけでなく、独立したジャーナリズムは次第に中国共産党式のプロパガンダに取って代わり、民主主義は衰退していく」と懸念を示した。
国境なき記者団によると、中国政府は最近メディアとSNSの操作をさらに強化している。中共ウイルス(新型コロナウイル)流行時には、ウイルスに関する情報を共有したとして900人近くの市民を逮捕した。 同団体は「権威主義的な体制とネットワーク制御は、報道の自由をさらに抑圧している」と批判した。
同時に、中国がこの情報統制を世界の他地域にまでひろげ、世界の舞台で報道の自由を攻撃していると指摘した。 同団体が昨年発表した調査では、中国は国際ニュース放送(CGTN)の現代化、各国メディアの広告枠購入、中国大使館を通じた大規模な脅迫・嫌がらせキャンペーンなどを通じて、他国の情報をコントロールしようとしている。
国境なき記者団は、世界の民主主義国に対し、報道の自由を守るために団結するよう呼びかけている。
(翻訳編集・佐渡道世)
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