今年9月、浙江省杭州市でG20首脳会議が開催される。同市内の余杭区喬司鎮では現在、サミット受け入れのために大規模な取り壊しが強制的に行われており、住民の怒りを買っている。4月7日、喬司鎮葛家車村の住民数百人が地域の委員会が入る建物に詰めかけて抗議したところ、当局は夜中に約200人の特殊警察を動員して住民を取り締まり、10人あまりを拘束した。
住民の曹さんは大紀元の取材に対し「4月7日午前、住民約200~300人が地域の委員会に詰めかけ、今回の強制撤去に対する明確な説明を求めたところ、現場にいた警察数十人が住民に帰宅するよう勧告した。住民はいかなる過激な抗議活動も行なわず正午にはすでに解散していたが、夜11時ごろ、突然約200人の特殊警察が住民の強制連行を始めた」と当時の様子を語った。
警察は家の鍵を壊したり扉をこじ開けたりして老人も含めた10人あまりを強制連行した。ある住民によると、連行された住民の中に、昼間の抗議の際に北京に陳情に行くと表明したものがいたという。
大陸メディアによると、今回のG20サミットのために、喬司鎮では3月4日に「G20サミットの円満開催における総合環境整備」のキャンペーンが開始され、約10カ所の地域が強制立ち退きを迫られている。曹さんによると、取り壊しはすでに開始されているという。
杭州市中心部の東側、余杭区南大門に位置する喬司鎮は、ここ数年で杭州の女性向けアパレル製品の主要な生産拠点となった。地域内のファッションストリートにはアパレル企業数百社がひしめきあい、他地域からの出稼ぎ労働者が住民の9割以上を占めている。
曹さんによると、地域の住民は7~8年前に6階建ての賃貸住宅を建設し、その家賃で毎年10万元ほどの収入を得ているという。また住民の多くが銀行か民間ローンの貸付金を利用して70~80万元をかけて住宅を建築している。こうした住民の生活事情をよそに、政府が今になって、突然4階建て以上の建築物について違法建築を理由に強制的に取り締まりを始めた。村民は取り壊しだけでなく、一軒当たり約10万元の「違法建築」罰金の支払いにも直面している。
(翻訳編集・桜井信一/単馨)
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