【大紀元日本7月18日】中国国家統計局は13日、中国の第2四半期(4~6月期)の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比で7.6%増と発表した。成長率が8%台を割り込んだのはリーマンショック後の2009年第1四半垣xun_ネ来3年ぶりとなった。また、今年上半期のGDP成長率も8%台を割り込み、7.8%増となり、中国経済成長の失速が鮮明になった。
中国の温家宝首相はこのほど、国内経済成長失速および雇用情勢の悪化について懸念を示した。温首相は13~15日四川省成都で開催された「河南省、湖南省、広西省、四川省、および陜西省経済情勢座談会」において、「現在、国内経済には安定した回復傾向がまだ形成されておらず、経済(成長の失速)の困難期はこれか先も一定期間継続するだろう」と述べた。
同首相はまた、経済成長失速で雇用が悪化し、社会不安を招いていることについて政府当局の懸念を示した。同座談会において、温氏は各省の高官に対してあらゆる方法を用い、雇用機会の拡大政策を指示した。特に大学卒業生、農民工、都市部の就職困難人員の就職問題を重視し解決しなければならないと話した。
さらに同首相は「このほど、物価(上昇率)が月ごとに下落しており、マクロコントロールを実施するにはより大きな余裕ができた。下半期の経済活動をよりよく行うには、経済政策の微調整の力を適切に強化していかなければならない」と話し、当局が景気回復を図る手段として、新たな刺激措置を実施する可能性を示唆した。中国政府は失速傾向が続く国内経済情勢に強い警戒感を示し、6月と7月、2カ月連続で利下げを実施した。
一方、国際通貨基金(IMF)は16日に発表した「世界経済展望」において、2012年中国のGDP成長率見通しについて3カ月前に予測した8.2%から8%に、2013年中国GDP成長率に関しては前回8.8%から8.5%に下方修正し、同時に中国経済は中期的にハードランディングする可能性があると警告した。
IMFは「中国経済にはハードランディングのリスクがある。一部のセクターには生産能力過剰の状況が現れており、投資はさらに緩やかに減少するだろう。中国経済の失速は、ブラジルやインドなど主要新興国と同様に、内部および外部要因によるものだ」と示し、中国の鉄鉱石や原油への需要が大幅に減少したことで、中国の主要鉄鉱石提供国であるオーストラリアやブラジル、また原油提供国であるアフリカや南アメリカの一部の国の輸出に影響を与えるとの見解を示した。