臓器摘出殺人を暴露した証人らと王記者、ホワイトハウス抗議事件について記者会見

2006/04/30
更新: 2006/04/30

【大紀元日本4月30日】4月26日、米国バージニア州アーリントン郡のマリオットホテルで開かれた記者会見で、王文怡((ワン・ウエンイ))記者は、胡錦濤・主席を迎えるホワイトハウスの歓迎式典で抗議した自らの行動について、背景説明を行った。中国瀋陽市の蘇家屯秘密収容所で、生きている法輪功学習者の臓器を摘出・売買する裏幕を暴露した2人の証言者、中国人ジャーナリストと、臓器摘出に実際に関与した元執刀医の前妻でその病院施設の女性職員が会見に同席した。

4月20日、王記者は、ホワイトハウスの歓迎式典で、胡錦濤・主席に向けて「法輪功への迫害を停止してください」「生きている法輪功学習者から臓器を摘出するのを止めなさい」などと叫んだ。このことが国際メディアや、国際社会に強い反響を与えた。

ホワイトハウス事件と生きている法輪功学習者からの臓器摘出との関連

米国在住の医学博士で、法輪功学習者でもある王記者は、「歓迎式典での行動は、(中国で)大勢の法輪功学習者が随時に生きたままで臓器を摘出され、虐殺される背景の中で行われた」とまず説明を行った。

王記者は「3月8日、大紀元時報は、中国の蘇家屯秘密収容所で生きている法輪功学習者の臓器を摘出・売買する裏幕を暴露した。多くの法輪功学習者は軽い麻酔をかけられただけで、腎臓や、肝臓、目の角膜などが摘出され、暴利で売却され、彼らの体は後に焼却処分された。このようなことが7年間も続いた残虐な迫害の一ページは、ここに来てようやく暴露された。実際に1999年中共政権が法輪功への集団迫害を開始して以来、数知れない大勢の法輪功学習者は謎のままで行方不明になった。一方、迫害の開始と同時に、中国での肝臓や、腎臓移植が指数的に激増した。この事実は、大勢の法輪功学習者が謎のままで行方不明となったことと符合する。

特に、3月27日、中共政権が臓器移植の関連法案を制定し、施行日を7月1日と定めた。そのため中国の各臓器移植機構は、大量に臓器移植を開始している。法輪功学習者を大量に虐殺し、証拠隠滅に奔走している可能性が高い」と語った。

また、王記者は「医者として、人の命を救うのは使命と認識している。そのような緊急な状況において、大量の嘆願書を各方面に投函し、多くの政府、非政府組織とメディアを訪れ、罪のない人々への虐殺を一刻も早く制止するよう懇願した。しかし、残念ながら、国際社会とメディアは、非常に冷ややかな反応を示した」と説明した。

王記者:人々の命を救うのは私の使命

王記者は以下のように当日の行動を決行するまでの心の葛藤を語った。

中国で進行中の集団虐殺を制止できる2人の国家指導者を4月20日にホワイトハウスの前で、目の前にし、「私には、このような貴重な機会が再度に訪れるのはいつになるだろう」と思量し続けた。1人の医師として、人の命を救うことを自らの使命だと誓った。このような状況において、私は決断した。現職の中共国家主席・胡錦涛に向けて、無我夢中に中国でのこのような虐殺を制止するようと心の声を叫び続けた。法輪功への集団迫害を命令した元凶は、胡・国家主席の前任である江沢民・前国家主席で、この迫害を実行・推進しているのは、江沢民の追随者・羅幹、周永康、劉京、曾慶紅であるが、胡錦涛・国家主席にこの迫害を制止させるために残された決断の時間は非常に少ないと私は認識している。

胡錦涛・国家主席に、この迫害を制止することを強く願っている。この決断は、彼個人にとっても、全国民にとっても有益なことである。

中国人ジャーナリスト:王記者と私は、共に重圧を感じている

中国人ジャーナリストは、駐上海日本領事館員の自殺を第一声に取材報道した。彼はその自殺事件の内幕を暴露したため、中共政権に追われ、米国に脱出した。そして3月はじめに中国蘇家屯秘密収容所で生きている法輪功学習者の臓器を摘出している組織犯罪を初めて暴露した。以下は彼の発言である。

私は(2003年)中国でSARSの発生状況を調査する過程で、秘密収容所の存在を把握した。ジャーナリストとして、このような惨事を暴露することを願い続けてきた。しかしこのことは中国では不可能だ。この5週間、毎日私は王記者と一緒に、ほとんどの米国の各大手メディア、議会を訪問した。我々は自分たちの努力で、この事を暴露するよう願い続けた。残念ながら、米国政府や、議員たちは、この問題に明確な反応を示さず、メディアも情報を重視しなかった。

私と王文怡さんは、重い重圧を感じ続けた。3週間後に、米国政府関係者が(中共政権の監視下で)現地を視察したが、証拠が見つからなかった。証拠はすでにすべて隠滅されたからだ。これは非常に遺憾なこと。実際には、蘇家屯だけではない、中国各地の秘密収容所や、労働収容所、監獄などで、このような法輪功学習者に対する虐殺が行われている。

蘇家屯の案件は、氷山の一角にすぎない。中国全土でこのような虐殺が大量に発生している。今日この場で取材しているメディアには、このことを深刻に受け止め、報道するよう願っている。

我々は米国に渡り、この事を暴露するのは、命の危険を覚悟した上での決断だ。これは非常に重要で、深刻な話題だ。事実上、真相を知っている医師や関係者は他にも多数いる。彼らも公の場で証言や証拠を提示することを願っている。

蘇家屯秘密収容所で、臓器を摘出した執刀医の前妻の証言

私の前夫は脳外科医で、生きている法輪功学習者の目の角膜を摘出ことに参与したため、良心の呵責を強く受け、後にメスを握る手は震えが止まらなくなった。最後、彼は足を洗うことを決断したが、中国国内で殺し屋に追われ続け、あるとき追われる最中、私自身、彼の身を守ろうと盾となり、刃物で切りつけられ、その傷跡は今も残っている。

一方、臓器摘出に参加した執刀医の一部は、相次いで失踪または死亡した。前夫もずっと苦しみ続けた。彼はこの事実を明かそうとしたが、殺されることを恐れている。中国国内では、たとえこのことを信じる人がいても、だれも報道する勇気がない。実は、病院関係者の多くは、この真相を明かすことを望んでいるが、しかし、彼らにはチャンスがない。国内の多くの病院は法輪功学習者からの臓器摘出に従事している。「(法輪功学習者を)殺しても、自殺とみなす」という中共の内部通達があるため、地方政権の幹部は、彼らの臓器を摘出し、売買する「丸儲けの商売」に走っている、非常に残忍なことだ。私はこの場を借りて、内情を知る人に対し、「人間は金銭の奴隷に化してはならない、公に出て証言しよう」と呼びかけたい。

王記者:医師として、中国各地で膨大な移植用臓器パンクの存在を察知

今回の記者会見で、迫害調査委員会が移植患者を装って、電話調査を行う際の録音テープを放送した。その中で、中国の臓器移植機構は、臓器は法輪功学習者のもので、しかも生きたままで摘出されたと明言している。王記者は、「私は医師として、中国各地で(法輪功学習者を供給源とする)厖大な移植用の臓器バンクが存在することを察知している。心がえぐられるように苦しい」と心情を語った。

医学博士でもある王文怡氏は、医学的見地から、中国の臓器移植の異常さを以下のように分析した。

1.臓器移植する際に、最も基本的な条件は、臓器提供者と移植患者の血液型が同じで、さらに組織(HLA)が適合しなくてはならない。HLAが完全一致するのは、双子以外には、不可能だ。血縁関係のない人からの臓器提供の場合、HLAの適合率は数百から数万分の一で、言わば数百人から数万人の臓器提供者から、ようやく1つの適合臓器が見つかる。

2.心臓が摘出されてから移植するまでに、わずか4時間から6時間の体外生存期間しかない。腎臓は24時間から48時間、肝臓は12時間から24時間である。

しかし、中国各地の主要病院で、(1999年法輪功への集団迫害が開始すると同時に)臓器移植の完成例が激増している。多くの移植医療機構のホームページでは、数日間から2週間以内に適合の臓器が見つかると宣言している。瀋陽の『国際移植中心』の外国語広告では、2週間から3週間以内に中国で腎臓を移植できると保証している。これは本当に不思議なことだ。以上の二つの条件を分析してみると、中国のように随時随所で臓器を移植できるのは、膨大な臓器パンクが存在するとしか考えられない。

また、王記者は、「遼寧省を中心に、全国各地の労働収容所や、監獄で、ここ数年大量の法輪功学習者を監禁している。たくさんの人々が謎のままで行方不明となり、家族が至る所に問い合わせているが、手がかりを探し当てることができない」と説明した。

王記者は、マーティン・ルーサー・キング牧師同様に尊重されるべき

法輪功のスポークスマン張而平氏も記者会見で発言した。張氏は、「ローザ・パークス女史や、マーティン・ルーサー・キング牧師、ガンジー氏は、人類が称賛と尊重する人物である。我々は彼らの行為を論じる際に、その行動の背景を避けては通ることはできない。王記者は犯罪者ではない。彼女の行動はまったく個人の良識によるもので、尊重されるべき。中国国内の法輪功学習者は、自分の信仰を放棄することを拒むだけで、監禁、拷問に遭い、場合によっては生きたままで臓器が摘出・販売され、殺害されている。もしあなたの子供、両親がこのような目に遭ったら、沈黙できるでしょうか。2人の子供を育ているこの体格の細い中年女性は、中国での大量虐殺を制止しようと必死に叫び続けた。彼女はローザ・パークス女史やマーティン・ルーサー・キング牧師と同様に、世に尊重されるべきである」と述べた。

歴史は惨劇を無視する人を容赦しない

張而平氏は、国連と米国政府に対して、臓器摘出殺人などの法輪功への迫害について中国各地の労働収容所などを独立に徹底調査するよう呼びかけた。また、米国政府に向けて、王記者に対する起訴を取り下げるよう嘆願した。張而平氏は「心に手を合わせて、よく考えてみてください。王記者は、本当に罪を犯したのでしょうか。中共政権による法輪功への虐殺は、一部の人の問題ではない、全人類に対する犯罪だ。歴史はこの犯罪を黙認する人を容赦しないはず」と語った。

張而平氏が記者会見で発言する(大紀元)

今後、このような集団虐殺を再発させてはならない

あるメディアは、王記者に「自分の行為を後悔しているだろうか、もし同様なケースがある場合、またこのような方式を選択するか」と質問した。

それに対し、王記者は「私は、人の命を救う一心で行動した。人間性は最重要なものだと認識したからだ。この臓器摘出殺人のことをメディアが暴露するのを願っている。今後、このような集団虐殺は、再発してはならない、たとえ発生しても、正常なルートで暴露できるよう願っている」と答えた。

張而平氏は「虐殺は中国で毎日発生しているが、メディアは沈黙し続けている。一方、執政者たちは握手を交わし友好を語り、巨額の貿易契約の締結に熱心になっている。王文怡、この極普通の女性は、あのような場で、大声を出し虐殺に目を背けないよう呼びかけるしかなかった。現時点で彼女の行為は合法であるかどうかを論じるのは、それこそ人類の真の屈辱だ」と見解を示した。

記者会見には、AP通信、AFP通信、ABC 7 News、共同通信などの十数社のメディアが参加した。

(記者・薛莉)