中国 監視や取材妨害が常態化

中国「何を取材しても危険」 外国人記者協会が警鐘

2026/07/17
更新: 2026/07/17

中国では今、台湾や新疆など政治問題だけでなく、景気悪化や若者の失業、不動産不況まで外国メディアが取材しにくいテーマになっている。

駐中国外国人記者協会(FCCC)は最新の報告書で、中国当局による取材妨害や監視、情報提供者への圧力が一段と強まり、「こうした制限が日常化している」と警告した。

FCCCが公表した2025年版「報道の自由に関する報告書」によると、調査に回答した外国人記者の94%が、中国での取材環境は国際的な報道の自由の基準を満たしていないと回答した。

これまでは台湾や新疆、チベットなど政治問題が主な規制対象だったが、近年は若者の失業、人口減少、景気低迷、不動産危機、米中貿易摩擦、レアアースや先端技術まで「敏感な話題」とされるようになったという。

ある記者は「今では何を取材しても問題視される可能性がある」と話している。

現場での妨害も深刻だ。回答者の64%が警察や当局者から取材を妨害された経験があると答え、身分不明の人物による尾行や監視、撮影した映像の削除を求められたケースも報告された。

また、77%の記者は、取材相手が「外国メディアの取材には応じられない」として取材を断った経験があると回答した。企業経営者や大学研究者、経済アナリストなども、当局への影響を恐れて取材を避けるケースが増えている。

さらに、中国で活動する外国人記者はビザ取得の遅れや通信監視にも直面している。約8割が通信アプリ「ウィーチャット(微信)」を監視されている可能性があると考えており、中国人スタッフが公安や国家安全部門から事情を聞かれるケースも少なくない。

外国人記者を支える中国人スタッフへの圧力も強まっている。調査では、回答者の89%が中国人スタッフを雇用しており、そのうち40%はスタッフが当局から圧力や嫌がらせ、脅迫を受けたと答えた。一部のスタッフは公安や国家安全部門に呼び出され、取材内容について事情聴取を受けた。中国では、このような呼び出しは俗に「お茶に呼ばれる(喝茶)」と呼ばれている。

FCCCは、こうした状況は一時的なものではなく、「外国メディアが中国で活動するうえでの新しい日常になっている」と指摘。「報道の自由は制度上は存在していても、実際には行使することがますます難しくなっている」と結論づけている。

FCCCは北京に本部を置く外国人記者の団体で、中国の報道環境の悪化について長年警鐘を鳴らしてきた。2019年には新疆などでの監視体制を取り上げた報告書を公表し、2022年には外国人記者への威圧や、北京冬季五輪の取材現場で起きた当局による妨害やネット攻撃、警備員による暴力行為などを相次いで非難している。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!