中国の名門・南京大学数学学院で、学院長を務めた喻良(ユー・リアン)氏が退任した。SNSでは「もうやりたくない」と記された辞職願とされる文書が拡散。大学側は喻氏の退任を認める一方、文書の出所や真偽は不明としている。研究に専念したい研究者にとって、管理・行政業務が重い負担となる実情にも注目が集まっている。
ネット上に出回ったスクリーンショットによると、喻氏は6月17日、南京大学に辞職願を提出した。文面は短いが、強い意思を示す内容だった。

8月6日には、「南京大学数学学院長の辞表が流出した疑い」という話題が、中国のSNS「微博(ウェイボー)」でトレンド入りした。
ネット上では、次のような声が寄せられた。
– 「南京大学数学学院長の辞表には、今の大学ではめったに見られない気骨がある」
– 「学院長という肩書を、これほど未練なく手放せる人は多くない。喻良教授は、そのなかでも個性のある人物だ」
– 「次は自分も『もうやりたくない』と言ってみたい。仕事は楽しくないが、実力がなく、簡単には辞められない」
– 「職場を経験した人なら分かる。こう言えるのは、もう誰かに取り入る必要も、顔色をうかがう必要もないからだ」
南京大学数学学院の公式サイトでは、現在、学院長のポストは空席となっている。大学側は喻氏が学院長職を退いたことを認めているが、拡散された文書の出所や真偽については確認できていないとしている。
研究者を圧迫する大学の行政・管理業務
8月6日午後、「南方都市報」の記者が喻氏に連絡を取ったところ、喻氏は「申し訳ないが、取材は受けない」と答えた。
中国の重点大学の学院長が辞任することについて、一部では、単なる衝動的な辞任ではなく、研究活動を守るための判断だとの見方が出ている。
喻氏は、行政業務に多くの時間を割くことを望んでいなかったとみられている。学問に専念したい研究者にとって、終わりのない行政上の業務は大きな負担となる。
行政業務は時間や労力を奪う一方で、研究成果に直接つながるものではない。そのため、研究活動を重視する立場から学院長職を離れる判断をした可能性がある。
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