毎年6月は台湾の学校の卒業シーズンに当たる。最近、多くの幼稚園の保護者がSNS上で、卒園式で子どもたちに中国の楽曲を歌わせているとして園側への不満を訴えている。中には中国共産党(中共)を称賛する「紅歌(革命歌)」も含まれているとして、中共の浸透を懸念する声が上がっている。
保護者らがThreadsに投稿した内容によると、台湾の一部幼稚園では、卒園式に向けて子どもたちに中国の楽曲を覚えさせているという。卒園ソングや日常活動の歌として使われている曲には、「黒桃A(スペードA)」「雪龍吟」「科目三」「啊青春」「把未來點亮(未来を照らそう)」などがある。
このうち「未来を照らそう」は2021年に発表された楽曲で、中共創設100周年を記念して制作されたものだ。歌詞では中共を「永遠に消えない灯台」と称賛しており、共産党を賛美する内容の楽曲である。
この話題はネット上で大きな議論を呼んでいる。多くのネットユーザーは、「なぜ台湾や海外の親しみやすい童謡ではなく、中共を称賛する中国の楽曲を卒園式で使うのか理解できない」と疑問を呈している。
一方、自らを幼児教育関係者と自称するユーザーから、「教師は苦労している」と擁護する声もある。学校には「過去3年間に使用した曲を避ける」といった暗黙のルールがあり、選曲は容易ではないと説明した。
しかし、こうした説明に納得しないユーザーも少なくない。「それは単なる言い訳に過ぎず、より根本的な背景として、中国共産党による統一戦線工作の影響があるのではないか」と指摘する声も出ている。
ネット上では、
「なぜ共産党創設を祝う歌を卒園ソングに選ぶのか。子どもの卒園と共産党に何の関係があるのか」
「共産党100周年を祝う歌が卒園式にふさわしいと思う理由が理解できない。幼稚園の先生方が大変なのは分かるが、物事を見極める力まで失ってはいけない」
「問題を指摘すると、すぐに『教師も大変だ』という話にすり替えられる。誰も教師の苦労を否定しているわけではない。文化や教育、次世代にどのような環境を残すのかが重要だ」
などの意見が相次いだ。
また、「選曲は園側の方針である可能性が高い。まずは園に意見を伝え、それでも改善されなければ教育局に通報すべきだ」との声も上がっている。
「統一戦線工作」への警戒感
現在、中共は台湾統一を掲げ、台湾に対する軍事的威圧や宣伝工作を強めている。同時に、多額の資金を投じて台湾社会の各層に対する統一戦線工作を進めていると指摘されている。
最近、中国メディアは湖北省荊門市や宜昌市などで、「対台湾統戦の職業化の混乱」を是正する取り組みが始まったと報じた。この報道では、中共当局が台湾向け統戦活動に多額の資源を投入している実態が伝えられている。
報道によると、中共当局は台湾人を中国に呼び込むため、「大量の資源」を投入し、各種交流活動を全額公費で支援しているという。
こうした活動は長年続いており、一部では台湾側の限られた人脈によって独占されてきたとされる。台湾の一部団体の責任者や退職者が、これらの活動を「無料旅行」として利用し、中国各地を頻繁に訪れているという。
さらに、一部の台湾人団体関係者は、中共側が提供する無料の交流事業を「商業ツアー」と名乗って、台湾の若者から不適切な料金を徴収していたとの指摘もある。
「無料招待」の目的を認識
昨年11月22日、台北市の呉さんはドキュメンタリー映画『国家の臓器』を鑑賞した後のインタビューで、自身もかつて家族とともに中共が提供する「無料旅行」に参加した経験があると語った。
呉さんは、中国の芸能人、于朦朧の死をめぐる疑念をきっかけに、中国社会の負の側面について知るようになり、中共による強制臓器摘出の問題を信じるようになったという。
そのうえで、「中共が台湾人を無料で招待する目的は、台湾の若い世代に中共への親近感を持たせ、最終的に台湾統一を進めることにあると今は理解している」と述べた。

ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。