トランプ氏と米議会はジェノサイドを巡り中国に立ち向かうべきである

2026/05/12
更新: 2026/05/12

解説

先々週、リック・スコット上院議員(共和党、フロリダ州選出)とジェフ・マークリー上院議員(民主党、オレゴン州選出)は、国務長官に対し、中華人民共和国(PRC)がチベットの人々に対してジェノサイド(集団殺害)を行っているかどうかを判断するよう義務付ける超党派の法案を共同で提出した。

「共産中国はチベットでジェノサイドを行っている。それは紛れもない事実だ」と、スコット議員はこの法案に関する声明で述べた。「北京の政権は、チベットの人々を抑圧する中で、組織的な殺害、拷問、強制不妊手術、強制移住、政府公認の誘拐、その他無数の人道に対する罪に関与してきた」。

「流血は終わらせなければならず、中国はそのすべてに対して責任を問われる必要がある」。

マークリー議員も同様に断固とした態度を示した。

「文化の破壊や子供の引き離し、監視、投獄、そして拷問。中国がチベットの人々に対して行っているこうした執拗な攻撃に対し、アメリカは黙っているわけにはいかない」と彼は述べた。

もし「チベット暴虐判定法(Tibet Atrocities Determination Act)」が制定されれば、国務長官には1年間の期限が与えられ、中華人民共和国の当局者または代理人によってチベットで行われた行為が、(1)チベット人に対する現在進行中のジェノサイド、または (2)人道に対する罪のいずれかに該当するかどうかを「判定」し、議会に報告書を提出することになる。

もし国務長官が、中国がチベットでジェノサイドを行っていると判定すれば、国務省がこの共産主義政権によるジェノサイドを認定するのは2度目となる。2021年1月19日、第1次トランプ政権の終盤、当時のマイク・ポンペオ国務長官は、中国が新疆ウイグル自治区のウイグル族に対してジェノサイドを行っているという判定を下した。

「入手可能な事実を精査した結果、私は、中国共産党(CCP)の指導と統制の下にある中華人民共和国が、新疆において主にイスラム教徒であるウイグル族やその他の民族的・宗教的少数派グループに対してジェノサイドを行ったと判定した」とポンペオは述べた。「私はこのジェノサイドが現在進行中であり、中国という党国家によるウイグル族破壊の組織的な試みを我々は目の当たりにしていると信じている」。

中国が現在チベットでジェノサイドを行っているかどうかの判定を国務長官に求める法案の声明の中で、スコット議員は中国によるウイグル族への待遇と「政治犯」の黎智英(ジミー・ライ)についても言及した。

「これは、ウイグル族へのジェノサイド、キリスト教の弾圧、そして私の友人であるジミー・ライのような政治犯の投獄を同時に行っている邪悪な政権にとって、常套手段である」とスコット氏は述べた。

ライ氏はカトリック教徒の中国系実業家で、香港で新聞「蘋果日報(アップル・デイリー)」を経営していた。米国際宗教自由委員会は、自社のウェブサイトで彼を「メディア界の大物、民主化活動家、そして宗教の自由の擁護者」と表現している。

中国政府は2020年8月に彼を初めて逮捕した。国連人権高等弁務官事務所が今年2月に発表した声明によれば、香港の高等法院(高裁)は2025年12月15日、ライ氏に対して有罪判決を下した。罪状は、刑事罪条例違反にあたる「扇動的な出版物を発行しようとした共謀罪」、および国家安全維持法違反にあたる「外国勢力と結託した2件の共謀罪」である。

声明は「ライ氏はすべての罪状を否認している」としている。

また、国連人権高等弁務官事務所は「判決を検討した結果、表現の自由、報道の自由、結社の自由を含む基本的自由の行使が犯罪とされていることに懸念を抱いている」と述べた。

2024年10月の前回の大統領選挙期間中、トランプ大統領はラジオ番組のホスト、ヒュー・ヒューイット氏によるインタビューに応じた。ヒューイット氏はライ氏について、「大統領に返り咲いた際、ジミー・ライを釈放し国外に出すよう(中国の指導者)習近平に話すことはできるか」と尋ねた。

トランプ氏は「100パーセント、イエスだ」と答えた。

「もしジミー・ライを救出できれば、それは世界中の自由にとって大きな勝利となるだろう」とヒューイット氏は述べた。

トランプ氏が2025年10月30日に韓国で習近平と会談した後、カトリック系メディア「EWTN」は、「ホワイトハウス当局者がEWTNに対し、トランプ大統領が習近平と民主化擁護者のジミー・ライの釈放について話したことを明らかにした」と報じた。

5月4日、ヒューイット氏はトランプ氏への別のインタビューで、今月後半に中国で習主席と会談する際、再びライ氏について尋ねるかどうかを質問した。

「主席とジミー・ライについて話したとのことだが、再びその件を持ち出すのか」とヒューイット氏は尋ねた。

「そうするつもりだ」とトランプ氏は答えた。「私はその話を持ち出した。彼とジミー・ライの間には、少々苦々しい思い(わだかまり)があると言わざるを得ないが……私は必ずその話をする」。

それはトランプ氏にとって正しい行動である。習近平に対し、チベット人やウイグル族に対する政権の壊滅的な攻撃について突きつけることも同様だ。

本コラムで以前指摘したように、8月に発表された2024年を対象とする国務省の最新の中国の人権報告書の冒頭には次のように記されている。「新疆において、主にイスラム教徒であるウイグル族やその他の民族的・宗教的少数派グループのメンバーに対し、ジェノサイドと人道に対する罪が年間を通じて発生した」。

しかし、ジェノサイドに関与しているにもかかわらず、中華人民共和国は依然としてアメリカの主要な貿易相手国の一つであり続けている。国勢調査局によると、2026年の最初の3カ月間で、米国は中国から609億ドルの輸入を行っており、これは同期間においてメキシコ(1380億ドル)、カナダ(916億ドル)、台湾(674億ドル)に次ぐ第4位の輸入相手国となっている。

2月、最高裁判所は6対3の意見で、1977年に制定された国際緊急経済権限法は、中国からの輸入を含む外国製品に対して大統領が一方的に関税を課す権限を与えるものではないとの結論を下した。

今こそ、議会の超党派がトランプ氏と協力し、中国のようなジェノサイドを行っている政権からの輸入を段階的に廃止する法律を制定すべきである。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。