中国 APEC前に規制強化 配達や通勤に影響

中国深圳 電動バイク押収拡大 市民生活に打撃

2026/04/05
更新: 2026/04/05

中国南部の深圳で、2026年11月に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)を前に、電動バイクの取り締まりを急激に強化している。各地で車両の押収が相次ぎ、市民生活への影響が広がっている。

当局は4月から新たな通行規制を導入し、市内を三つの制限区域に分けた。中心部では24時間の通行を禁止し、違反すれば最大2千元(約4万円)の罰金が科される。会場周辺の道路も対象に含まれ、規制範囲はこれまでより広がった。

取り締まりは想定以上に厳しく、路上だけでなく住宅周辺に停めていた車両まで深夜に持ち去られるケースが相次いでいる。実際に、配達員の電動バイクがその場で押収される様子や、警察が複数で取り囲んで取り締まる場面も確認されている。歩道橋の上で走行していた利用者をその場で止め、連行するケースもあった。現場では警察が「撮影するな」と声を上げる場面も見られた。

市民からの不満も強い。女性の一人は、自宅前の指定された駐輪場所に停めていた電動バイクを、早朝に警察が持ち去ったと話す。「朝5時ごろに突然持っていかれた。鍵も差したままで、このまま無くされたらどうなるのか不安だ」と訴えている。

現地では「30万台を処理する目標がある」との情報も広がり、配達員や通勤で使う人たちの間で不安が高まっている。深圳では電動バイクが600万台以上登録され、市民の重要な移動手段となっているため、影響は大きい。

一方で当局は安全対策の一環と説明するが、市民からは不満の声が強い。多くの車両が重量や速度の基準を超えているとして取り締まり対象となり、ナンバー付きでも押収されるケースが出ている。また、雨よけの装備やスマホホルダーなども改造と見なされ、対象になるという。

押収された車両の行方を巡っても議論が起きており、「まとめて海外に売っているのではないか」といった見方も広がっている。

景気の低迷が続く中、生活の足である電動バイクへの規制強化は、市民生活に直接の打撃となっている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!