中国 人間にしかできない力とは

AI時代 翻訳も写真も不要? 中国の大学で16専攻が廃止

2026/03/17
更新: 2026/03/17

中国の名門・中国伝媒大学が、翻訳や写真など16の学部専攻を廃止した。背景にあるのは、急速に広がるAIの影響だ。

大学側は「これからは人とAIが役割分担する時代」と説明する。知識の整理や翻訳、画像生成といった作業はAIが担い、人間は別の役割に移るべきだとし、授業内容や教育の仕組みも大きく変える必要があると強調した。

だが、この方針には疑問の声も多い。翻訳は単なる言葉の置き換えではなく、文化や背景、文脈まで伝える創造的な仕事である。写真も同様に、その場に立ち会った人間が何を感じ、どこを切り取るかによって意味が変わる。特に戦争や災害の記録など、現実の瞬間を伝える分野では、人間の視点そのものが価値になる。

また、AIに任せることが前提になるほど、人が考える力を失うのではないかという不安も出ている。AIを使いこなすためにも、本来は基礎となる知識や判断力が欠かせないという指摘だ。

一方で、時代に合わない専攻の見直しは避けられないという見方もある。ただし、哲学や歴史、芸術といった分野は、人間が考える力、感じ取る力、そして善し悪しを判断する力を育てる。その意味で、AIが広がるほど、こうした人間の基盤となる力の重要性はむしろ高まっているとの声もある。

AIの進化は、何を学び、何を人間が担うべきかを改めて問いかけている。便利さを優先するのか、それとも人間の価値を守るのか。教育の現場は今、その分かれ道に立っている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!