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日本初のF-35Bが九州に到着 中共空母の脅威に対応

2025/08/08
更新: 2025/08/08

日本初となるF-35Bステルス戦闘機が2025年8月、九州・新田原基地に到着した。急速に拡大する中国の空母戦力に対抗し、改装された「いずも」「かが」への配備で西南諸島やインド太平洋地域の防衛体制を大幅に強化。地元住民の騒音への懸念や島嶼防衛の今後についても注目が集まっている。

三種の着陸方式 F-35Bの機動能力を実演

アメリカ側は当初4機のF-35Bを引き渡す計画を立てたが、そのうち1機は技術的な問題によりアメリカで検査を受けることとなった。今回到着した3機のF-35Bは米軍パイロットが操縦し、アメリカ空軍のKC-46A給油機の支援を受けてアメリカを出発、ハワイとグアムを経由して日本に到着した。この飛行によってF-35Bの大洋横断配備における信頼性と機動性を証明した。

到着後、地元住民が騒音レベルを確認できるよう、一番機のF-35Bは垂直方式で着陸し、約1分かけて空中から減速して地面に着地した。2番機と3番機はそれぞれ短距離方式と従来の滑走方式で着陸し、F-35Bの短距離離陸・垂直着陸(STOVL)能力を示した。

日本は護衛艦を改装し、空母並みの戦力を整備

F-35Bはアメリカの国防請負企業ロッキード・マーチン社が製造したF-35Aの派生型である。短距離離陸・垂直着陸能力を備えるため、小型艦艇でも運用可能であり、従来の大型空母を必要としない。

これらの戦闘機は宮崎県の新田原基地に配備され、今後、改装を終えた「いずも」と「かが」護衛艦に搭載される予定である。これらの艦艇は事実上の空母となる。

両艦はすでに一部改装を終え、甲板の耐熱塗装強化や艦首構造の調整を実施済みであり、2028会計年度までに全工事を完了させる計画である。

日本の防衛省は、将来的に42機のF-35Bを配備し、既存のF-35Aと合わせて147機の機動部隊を編成する方針である。F-35Aはより多くの燃料と弾薬を搭載できるため、主に緊急発進迎撃任務に投入する。

アメリカ海兵隊はすでに山口県岩国基地にF-35Bを配備し、強襲揚陸艦と連携して運用している。イギリス軍も空母艦載機としてF-35Bを運用している。

艦載能力を強化し、中共の脅威拡大に対応

この施策は、中共が空母戦力を急速に拡大している時期に実施された。現在、中共軍は「遼寧」と「山東」の2隻の現役空母を保有し、3隻目の「福建」は複数回の海上試験を終えており、年末に正式就役する見込みである。

今年6月、遼寧と山東が初めて同時に西太平洋海域に出現し、日本の小笠原諸島からグアムへ伸びる「第二列島線」を通過した。この動きは日本、アメリカ、台湾で大きな注目を集めた。中共空母の活動半径が広がり、航空作戦能力が地上基地以外にも及ぶことで、日本にとって直接的な脅威となり、日本は艦載戦力および西南諸島の防衛強化を加速させた。

日本は2018年から「いずも型」護衛艦の改装を進め、F-35Bの搭載能力を付与している。もともとこの艦はヘリコプターのみを運用していたが、改装後はアメリカとの共同訓練で発着艦テストに成功した。

地元住民の反発と訓練一時停止

F-35Bの着陸時に発生する騒音が新田原基地周辺の住民の不満を招いた。防衛省は当初、垂直着陸訓練を緊急時のみに限定すると説明したが、その後、夜間訓練を含む通常運用に切り替えたため、住民や地元自治体が反対した。

防衛省は今年秋に訓練見直し案を発表する予定であり、地元との調整が整うまで垂直着陸訓練を一時停止する方針である。

陳霆