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中共百年は中国の「真の恥辱」 余茂春氏が語る中国現代史と民族復興の虚像

2025/05/21
更新: 2025/05/21

アメリカの中国問題専門家・余茂春氏が「中共百年こそ中国の真の恥辱」と断言し、民族復興のプロパガンダや歴史の捏造、国民への抑圧の実態を鋭く分析し、真の中国復興に必要な条件を語った。

アメリカのハドソン研究所中国センター主任の余茂春(Miles Yu)氏が、台湾の聯華電子創業者・曹興誠氏のYouTube番組「知定講堂」に登場し、中国共産党(中共)による「民族復興」プロパガンダの本質と、百年にわたる中国人民の苦難について鋭く指摘した。

中共の百年こそが中国の「百年恥辱」

余茂春氏は番組の冒頭で、「中共が存在したこの百年こそが、中国の本当の百年の恥辱だ」と断言した。中共は、阿片戦争以降の百年(1839~1949年)を「屈辱の時代」として宣伝し、民族復興の旗印のもと、自らを中国の救世主と位置付けてきた。しかし、余氏は「中共が語る百年屈辱は、実は、自らの犯罪を覆い隠すためのスローガンに過ぎなかった」と喝破した。

「中共は中国人民を代表したことは一度もなく、その本当の目的は、民族復興ではなく、一党独裁体制の維持に尽きる」と余氏は述べた。中共は「外敵」を作り出し、内政の失敗や人民の不満を外部に転嫁することで、権力維持の正当化を図ってきたのであり、これは歴代の暴君が用いた「外敵発明(外敵をわざと作り出す)」の古典的手法であり、現代中国でも繰り返されてきたと指摘。

「民族復興」の名の下に繰り返される犯罪

中共は自らを「民族の守護者」「救世主」と自賛し、外敵から中国を守る最後の砦と宣伝してきた。しかし、余氏は「現実は中共の描く筋書き通りには進んでいない」と語る。中共が掲げる「百年屈辱」は、実際には、愛国の仮面を被った裏切りであり、排外主義のスローガンで自らの犯罪を覆い隠しているに過ぎななかった。

「1839年から1949年の百年は、確かに列強による侵略と屈辱の歴史だった。しかし、それ以上に恐ろしいのは、1921年の中共創設以降、今日まで続く中共自身が生み出した百年の恥辱だ」と余氏は強調した。

1949年以降の苦難――加害者は「外敵」ではなく中共自身

余氏は、中共が決して語らない事実として、1949年以降の中国人民の苦難を挙げた。大躍進政策による3千~4500万人の餓死、文化大革命による伝統文化の破壊や知識人の粛清、1989年の天安門事件での若者の虐殺―これらはいずれも「外国の侵略」ではなく、中共自身の政策と暴力によるものだった。

さらに、今日に至るまで、新疆ウイグル自治区の強制収容所、全国規模の監視・検閲・粛清・労働改造所・言論弾圧など、現代的な「内戦」が中国人民に対して続けられてきた。余氏は「百年の屈辱は終わっていない。むしろ国家規模で、工業化・デジタル化された形で加速・拡大した」と警鐘を鳴らす。

外敵を憎ませ 人民の目をそらす中共の戦略

経済問題が起これば「西側の包囲網」、人民の不満が高まれば「CIAの陰謀」、香港や少数民族の抗議には「外国勢力の扇動」―中共は、あらゆる問題の責任を外部に転嫁し続けてきた。内部の腐敗、抑圧、土地の強制収用、環境破壊、報道弾圧、違法判決、暴力的な弾圧など、数々の罪も「外国の脅威」という一言で片付けてきた。

「中共は、中国人民を搾取しながら、全世界が中国をいじめていると主張する。これは歴代暴君の常套手段であり、最も皮肉な現象だ」と余氏は指摘した。

「中国の復興」は中共のものではない

中共が叫ぶ「民族の偉大な復興」は、実際には、中共特権階級の利益収奪のためのスローガンに過ぎなかった。余氏は「本当の復興とは、開放的で自信に満ち、創造力に溢れ、世界から尊敬される中国の姿だ。しかし、今の中国は疑心暗鬼で脆弱、停滞し閉鎖的で、恐れられる存在になってしまった」と嘆く。

「復興には思想の自由、市民の尊厳、歴史への誠実な向き合いが不可欠だが、中共はこれらを一つ一つ抹殺した。中共が与えるのは、軍事パレードや空虚なスローガン、情報統制による“ゾンビ式ナショナリズム”だけだ」と批判する。

中国の発展は、中共によるものではなく、中共の抑圧にもかかわらず国民が努力し続けてきた結果に過ぎないと余氏は強調し「中国人の足かせとなっているのは、中共という鉄鎖だ」と指摘した。

真の敵は「外敵」ではなく中共自身

余氏は、「中国の真の敵は、外資企業や西側の陰謀ではなく、中南海に巣食う『紅い貴族』だ」と断言した。彼らは言論や知識を恐れ、責任追及を恐れ、国民の監督を恐れ、その結果、五千年の文明を持つ中国が「赤い旗を掲げた警察国家」に変貌してしまった。

「中共は中国を売り渡しながら、全世界を非難した。人民の汗と希望を奪い、歴史上のどの帝国主義よりも徹底的に中国人を辱めてきた。それでも愛国の名の下に、自らの罪を隠蔽し続けている」と余氏は糾弾するのだ。

真の中国復興は「覚醒」から始まる

余氏は最後に、「本当の中国の復興は、人民が目覚めるその日から始まる」と語り、「敵は海外にいるのではなく、家の中にいる。赤い旗を振りかざし、『全人類解放』を叫ぶ者こそが、実は、中国人民を監獄に閉じ込めてきたのだ」と力強く訴えた。

余茂春氏の発言は、中共体制の本質と中国社会の現実を鋭くえぐり出すものであり、今後の中国の進路を考える上で、大きな示唆を与えてくれる。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
林燕