中国四川省宜賓市(ぎひん-し)で8日昼前、大規模な地滑りが発生した。
被害状況について、当局発表(9日11時時点)によると、少なくとも10の家が埋められ、死者1人、行方不明者28人となっている。
しかし、中国共産党当局は、災害や社会報復など社会の不安を引き起こしかねない事故や事件が起きるたびに、一貫して被害情報の隠蔽を行い、過少報告する傾向があるため、今回の地滑りによる実際の死傷者数も、公式発表をはるかに上回る可能性がある。
「山全体が滑り落ちた。その間わずか10秒しかかからなかった。転がってきた石はすぐそばに落ちてきた。一歩でも逃げるのが遅かったら自分も死んでいただろう」
「どっとなだれ落ちてきた土砂が襲い掛かってきて、逃げようにも逃げられなかった。本当に怖かった」
など、生き延びた村民は当時の様子を振り返った。
(現場の様子)
「その兆候はあった」?
現地村民は、中国メディアに対し
「昨年から地滑りの兆候があったが、当局は私たちの訴えを無視した。地質学者も『大丈夫、山は崩れないよ』と言っていた」
「地滑りが起きた場所の近くでは、地下で石炭採掘が行われていた。昨年の後半には山の上から石が転げおちて道路を塞ぐこともあった。山滑りの兆候があったんだ、しかし、現地当局は、道路の一部を金網で囲うなどして簡単な保護措置をとっただけで、私たちの地滑りの訴えを無視した。問題の道路を避けるよう呼びかける知らせもなかった」という。
(現場の様子)
今回の地滑りの原因について、現地で調査を行った地質調査員は「石炭採掘によるもの」としているが、現地政府当局者は「石炭採掘が原因であるとは断定できない」と主張しているという。
(現場で家族を失った村民たち、2025年2月8日)
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