近年、中国各地で校舎、学校の体育館、公立病院、スーパーマーケット、集合住宅の崩落事故が相次いでおり、鉄道建設現場における路面崩落事故に至っては今年に入ってからは毎月のように起きている。
鉄道建設の崩落現場を見た市民のなかには、道路に空いた大きな中身が空っぽの穴より、崩落した路面断面のあまりの「薄さ」に驚く人も多い。
真実の崩落原因について当局が公表するとは思えないが、民間では「路面は紙みたいに薄っぺらすぎない?」「この薄さじゃ、路面崩落は必然だ」といったおから工事(手抜き工事)を疑う声も根強い。
類似事件が発生するたび、SNSには「またおから工事か」というコメントが必ず寄せられる。
アメリカの上級橋梁設計技術者である竹学葉氏も「今の中国は一見してとても見栄えが良い。しかし、10年もしないうちに、おから工事災害があちこちに現れるだろう。住宅をはじめ、橋、道路、鉄道などのインフラは問題だらけだ」と警鐘を鳴らしている。
湖北省武漢市
湖北省武漢市で11月23日、突如路面が陥没し、大きな穴が出来た。
穴のなかへ自動車2台、市民3人が落下した。
広東省深セン市
12月4日夜、中国広東省深セン市の高速鉄道「深江鉄路」の建設現場で、路面崩落が発生した。
当局によるとこの事故で作業員13人が行方不明となっており、救援活動が展開されている。
周辺道路では一時的な交通規制が講じられており、事故原因については調査中という。
(封鎖された現場の様子)
湖北省武漢市
8月にも湖北省武漢市の地下鉄建設現場で同様の道路の陥没が起きた。公式発表では死傷者はいなかった。
事故の後、現地の政府関係者を取材していた「深セン報業集団」傘下の「讀特新聞」の記者は、「報道するな」という「脅し」ともとれる言葉を投げられたことがわかった。
「この件を自由に報道できるとでも思っているのか?」
「こういうことは、あなたの一存で報道できるものではないだろう」
「深セン報業(集団)だろう、深センがなぜ武漢のことを報じるんだ」
陝西省西安市
7月には陝西省西安市の建設中の地下鉄8号線で道路崩落事故が発生した。
陝西省
7月17日と19日、陝西省の宝鶏市と商洛市で高速道路が、相次いで崩落し、多数の死傷者が出た。
これらの崩落事故について、当局はいずれも「豪雨や土石流のせい」などで、「災害」と位置づけているが、民間では「手抜き工事ではないか」と疑問を呈する声が多く上がっている。
四川省
6月にも四川省成都市の建設中の地下鉄13号線の駅が崩落し、道路に大きな穴が開いた。
崩落現場のすぐそばにはマンションが建っており、その距離はわずか1メートルだ。現場周辺は高層マンションに囲まれており、現地住民の不安が広がっている。
広東省
5月にも、広東省梅州市にある梅龍高速道路で、路面の一部が崩落する事故があった。翌日、「死者48人、負傷者30人」と当局が死傷者数を更新して以来、続報はない。
同高速道路は開通して10年足らずで、事故直前に安全検査をクリアしたばかりだったという。
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