12月1日夜、広東省広州市にある出稼ぎ労働者が集結する村「大敦村(だいとん・むら)」で、大規模な対政府の抗議事件が起きた。
村を出入りする車に対する「駐車料金徴収政策」に反対する数百人の市民が、料金徴収の初日となったこの日、地元政府に対して、集団で抗議活動を起こした。
怒り心頭の市民たちは、政府が設置した駐車料金を徴収するためのブース28か所を全て破壊した。
最終的に現地政府は、市民の怒涛の怒りを鎮めるため、致し方なく「料金徴収の中止」を約束した。
(当時の様子)
「現場に来た警察は何もしなかった」
エポックタイムズによる、「大敦村」で働く複数の出稼ぎ労働者への取材でわかった詳細は以下の通り。
この日、抗議活動に参加したのは主に村の工場で働く労働者とその経営者。きかっけは午後にアパレル工場の経営者の車が駐車料金22元(約456円)を徴収されたことだ。
夜になると村じゅうの工場の経営者も労働者も総出で抗議に参加し、その数は3千人を超えていたという。
抗議は夜中の2時まで続き、警察は現場に来ていたが何もしなかった。最終的に町のトップが来て「駐車料金徴収しない」と約束し、騒ぎはようやく収まった。
現地市民によると、政府が駐車料金を徴収するようになったのは、財政が枯渇したからだ。村では毎日車の出入りが多く、頻繁であるため、いちいち駐車料金を取られてたらとんでもない額になるし、ただでさえこのご時世はお金を稼ぐことが昔より容易でなくなったため、村民たちは料金徴収に断固反対だった。
エポックタイムズの取材に応じた出稼ぎ労働者の方さんの場合、先月は半月だけ仕事をして、残りの半月は家で休まされたという。以前であれば月1万元以上(約20万円)稼げたが、いまではその半分以下。故郷には妻と子もいて、家族の生活を支えるための仕送りもしないといけないという。「今後どうしたらいいかわからない」と方さんは途方に暮れている。
今年10月、中国の学者である劉成良(りゅうせいりょう)氏が「2022年の中国の罰金・没収収入は4283億元(約8兆8967億円)と10年ぶりの高水準になった」と明かしている。
金欠に喘ぐ中国の各地方政府は、なにかと理由つけて国民からお金を巻き上げようとする。しかし、国民側にはその金がない。
「追い込まれた民は、生存を脅かされると反抗するしか道はなくなる。こうした抗議活動は今後もっと増えるだろう、いよいよ社会秩序が崩れるか」と懸念する声が各方面から上がっている。
現実に、政府当局が「消防検査」「品質検査」などをうたった抜き打ち検査(不合格は罰金)が実施されることを知った現地の商販が一斉にシャッターを下ろして臨時休業して「反抗」する事態が最近、各地で起きている。
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