クリスマスの日(25日)河南省三門峡市にあるホテルの宴会場で、天井が突然崩落する大事故が起きた。この時、宴会場では、結婚式の準備をしていた最中だった。
ネット上に事故現場の動画が流れている。テーブルの上には、すでに食器などがセッティング済みで、料理も何皿か置かれていた。
結婚式場が「ほこりのスモークに包まれた」
その後、天井が崩落。現場には、結婚式のドライアイスのスモークではなく、灰色の埃のベールがかかってしまった。
中国メディアが目撃者の話として報じたところによると、事故が起きたのは25日午前11時(現地時間)ごろだった。事故発生時、新婦は到着していなかったが、早く来ていた7、8人の参列者が負傷して病院へ搬送されたという。
事故の起きたホテルの職員は、メディアの問いかけに対して「大したことではない」と取り合わず、事故があった現場を大急ぎで片付けた後「結婚式は通常通りに行われた」と話している。
なお、けが人の状況や事故の原因について、ホテルの職員は「わからない」というばかりだった。
いっぽう、現地の病院の救急部のスタッフは「負傷者8人が入院している」と明かしている。
(天井崩落直後の現場の様子。SNSより)
「また、おから工事か?」
近年、中国では、学校の体育館から病院、大型商業施設に至るまで、天井が崩落したり、地面に大きな穴が開くといった「思わぬ事故」が頻発している。
そのような事故が起こるたび、ネット上には「いつもの通りの声」が広がっている。いつも通りの声とは、つまり「また、おから工事(手抜き工事)か?」である。
中国で欠陥住宅を無数に生み出してきた手抜き工事は、豆腐のおから(豆腐渣)のように、手で砕けるほど脆いことから「おから工事(豆腐渣工程)」と呼ばれている。
その原因として、住宅の品質や企業の社会的責任よりも、利益追求をはるかに優先する風潮が絶えないことが挙げられる。こうした「おから工事」は、中国では以前から大きな社会問題となっていた。
その「品質のひどさ」は、まさに桁外れである。排水管の亀裂、天井や電気系統の欠陥、壁のひび割れ、あらゆる所からの水漏れ、ガラス窓が外れそうになっているなど、とても「新築物件」とは思えないようなものばかりだ。
なかには素手で、いや「指一本で穴があく」という石膏ボードのようなコンクリート壁。足で踏むと「砕ける」階段。さらには「鉄筋代わりに竹を使用した住宅」など、とても信じ難いものもある。
クリスマスの日に「結婚式場の天井が崩落する」とは、いったい何の因果であるかは分からない。
この晴れの日を楽しみにしていた新郎新婦やご家族と、負傷した8人の参列者には、まことに気の毒な限りである。
それでも、天井が崩落して死者がでなかったことに、どこか「安堵する」おかしな感覚と、その大事故を平気でとりつくろって「穴のあいた天井のまま、結婚式を行う」ホテルの図太さに、国全体が「おから工事」である今の中国の異常性を見るというしかない。
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