最近、中国の大学生の「心の健康状態」に関する懸念の声が広がっている。中国当局による最新の調査の結果、大学生の半数近くが心に不安を抱えており、全体の21.48%が「うつ病」であることがわかった。
中国科学院が約8万人の大学生を対象に行ったメンタルヘルス調査によると、うつ病率が約21.48%、心に不安を抱えている学生が約45.28%という結果が出た。
専門の学術誌にも掲載された別の研究によると(中国の)全国の大学生約10万人を対象とした調査で、彼らの精神障害の平均的な発病率が22.8%という結果も出ている。
また、中国メディアが伝えた別の調査では、大学生の73.2%が学業がもたらすストレスなどの心理的ストレスに悩まされているという。
こうした調査時には、本当のことを言わない(言えない)ケースも考えられるため、実情はもっと深刻であると考えられる。調査結果が示す以上の大勢の若者が、大きな不安にさいなまれているのが現実であろう。
若者たちが「心の健康状態」を崩すことになった原因として第一に考えられるのが、昨年末まで続いた「ゼロコロナ政策」だ。およそ3年もの間、大学生たちは校内でほとんど「軟禁状態」におかれた。
それに加えて、近年ますます強まる政府による言論統制など、自由な表現への規制により「本当のことを言えない」環境に置かれていることも若者の心理に影響を与えていることは確実だろう。
さらに追い打ちをかけるように、中国経済の低迷による深刻な就職難が続いている。将来の希望が持てない状況が今後も続き、しかも簡単には好転しないのは目に見えているため、若者が大きな不安を抱えるのも仕方のないことだ。
昨年末、中国のSNSでは、大学生が「夜のキャンパスで、段ボールで作った犬と散歩する」「集団で四つんばいになって、円を描くようにぐるぐる回る」といった、もはや「奇行」ともいえる行動が拡散されて、学生たちの精神状態を心配する声が上がっていた。
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