日英両政府は15日、次期戦闘機用の高性能レーダーシステムを共同開発すると発表した。昨年12月には戦闘機用エンジンの実証機の共同開発計画が公表されており、防衛技術研究の交流が深化している。レーダーシステムの命名は「ジャガー」。
防衛省は同日、従来よりも広い範囲を瞬時に探索できる次世代RF(Radio Frequency:電波)センサシステム「JAGUAR(ジャガー)」の技術実証の共同研究に関する取り決めに署名したと発表した。
防衛装備庁は「このような航空機搭載用レーダシステム技術は他国でも実用例がありません。この技術を確立することにより、将来的に戦闘機の索敵能力を大幅に向上させることが期待されます」と公式的にコメントした。
英国防省によると、この高性能なセンサー技術により陸、海、空からの脅威を検知するとともに迅速かつ正確に目標を捕捉し、敵国が運用する監視技術を無効化できる。
センサシステムの研究は4月から開始し5年間かけて設計、日英でそれぞれ1台ずつ実証機を製作する。作業や学習内容を共有して専門知識を最大限に活用するという。
ジェレミー・クイン英国防調達担当大臣は「日本のパートナーとこれまで以上に緊密に協力し、日英両軍が軍事的革新の最前線であり続けることを誇りに思う」とコメントを発表している。
日英は昨年12月に次期戦闘機のジェットエンジン実証機を開発すると公表した。日本は三菱重工とIHI、英国はロールスロイスとBAEシステムズが開発に加わる。
本件共同研究は、2018年から実施されていた先行研究の成果を踏まえて行うもの。2021年3月に開催された第4回日英外務・防衛閣僚会合(2プラス2)では、防衛装備・技術協力に関して、次期戦闘機システムのサブシステムレベルでの対話や、新たな空対空ミサイルの実証に係る共同研究、次世代RFセンサシステムの実現可能性に係る共同研究の進捗が話題に上がった。
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