中国政府メディア、オンラインゲームを批判 次の統制対象か 関連株急落

2021/08/04
更新: 2021/08/04

中国官製メディアは3日、オンラインゲームを「精神アヘン」と批判する記事を発表した。その影響を受け、ゲーム関連の株価が急落した。IT業界への締め付けが強まる中、急成長を続けるゲーム業界が中国当局の次の統制対象になるとの見方が広がっている。

国営新華社通信系の経済紙・経済参考報は3日、テンセントの人気ゲーム「王者栄耀(オナー・オブ・キングス)」を例に挙げて、オンラインゲームの中毒性を「精神的アヘン」と批判する記事を掲載した。

記事は「2020年、中国の約半分の児童や青少年は視力が低下し、オンラインゲームは未成年者に悪影響を及ぼしている。人々はしばしば、『精神的アヘン』『電子ドラッグ』などの言葉でオンラインゲームを指している」と述べた。

記事掲載後、同日の香港市場でゲーム関連株が急落。ゲーム業界首位のテンセント・ホールディングス(騰訊)株は一時10%以上急落し、その後下げをやや縮小したものの、前日終値比約6%安で取引を終えた。

また、業界2位の網易(ネットイース)も株価急落で、同日8%安で取引を終えた。

中国機関紙によれば、2021年上半期の中国ゲームユーザー規模は6億6700万人に達し、中国国内ゲーム市場の売上高は前年同期比7.89%増の1504億9300万元(約2兆5583億円)に上るという。

経済参考報は最初の記事掲載後まもなくして、「アヘン」や「電子ドラッグ」などの過激な描写を削除して記事を再送した。

記事削除後、株価の急落から回復したテンセントは同日、未成年者に対してゲームのプレー時間を、平日1時間、休日2時間に短縮するといった対策を公表した。また、12歳未満の子供に対して全面的なゲーム禁止に踏み切る可能性を示した。

中国当局は最近、不動産やIT、教育企業への統制を強めている。

市場は、ゲーム業界が中国の規制当局の次の取り締りのターゲットとの懸念が広まっている。

(翻訳編集・李凌)