日本への寄港も予定している英海軍の「クイーン・エリザベス」空母打撃群はこのほど、フィリピンのルソン海峡に到達したことを公式ツイッターで発表した。打撃群は同海域で8月、複数の同盟国と一連の演習を行う予定だ。大西洋から出航し、地中海を通ってきた英空母打撃群は、すでに1万カイリを航行した。空母「クイーン・エリザベス」は9月、日本に寄港する予定だ。
空母「クイーン・エリザベス」は英米のF35-B戦闘機を搭載し、米海軍やオランダ海軍の艦船からなる空母打撃群を率いて遠洋航海を行っている。ベン・ウォレス英国国防長官によれば、空母打撃群はフィリピン海において、米、豪、仏、日本、NZ、韓国の海空軍と統合演習を実施する予定だ。
The Carrier Strike Group has passed through the Luzon Strait and entered the Philippine Sea.
This is a significant moment for #CSG21.
Having begun our deployment in the Eastern Atlantic and Mediterranean, we have now travelled 10,000 miles to the Western Pacific. pic.twitter.com/bejSobZWkG
— Commander UK Carrier Strike Group (@smrmoorhouse) August 1, 2021
英国政府は今回の航海を、空母打撃能力の復活を示す「マイルストーン」であると捉えており、インド太平洋地域に進出する中国共産党をけん制する狙いがあると見られている。
中国共産党による拡張主義的な海洋戦略により、インド太平洋地域の不安定要素が増している。こうしたなか、日本政府は英国が再び東アジアでのプレゼンスを取り戻すことを期待している。
岸信夫防衛大臣は7月20日、イギリスのベン・ウォレス国防長官と会談した際、「『自由で開かれたインド太平洋(FOIP)』の実現のための英国の関与が強固かつ不可逆的であること」について認識を一致させた。そして英空母打撃群の来航は、「日英防衛協力がわが国の安全保障のみならず、インド太平洋地域と国際社会の平和と安定の確保に資する」ことを示すことであるとも確認した。
防衛省によると、空母「クイーン・エリザベス」は在日米軍横須賀海軍施設に寄港する予定であり、その他の同行する艦艇については海上自衛隊の横須賀、舞鶴、呉の各基地、そして、在日米軍の各基地に停泊するとのことだ。
(王文亮)
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