ジョン・ラトクリフ(John Ratcliffe)米国家情報長官はこのほど、中国共産党(以下、中共)がもたらす脅威について異例の警告を発した。中共が、軍事力拡大を追求するために「ゲノム編集(人体実験)」を利用していることを明らかにした。
ラトクリフ氏は12月6日、米FOXニュースの取材に対し、「中共は200万人の軍隊を持っており、彼らは兵士のDNAを変えることで軍事力を強化しようとしている。これは、中共が根本的に地球を支配し、国際秩序を変えていく方法の一つに過ぎない」と述べている。
同氏はまた、「人々は中共の本質を理解する必要がある。中共は権威主義政権であり、国民の権利を無視している。もし中共が世界を支配したら、個人の自由、自由企業制などの民主制的諸制度はすべて危険にさらされるだろう」と強調した。
「中共は国家安全保障上の最大の脅威」
ラトクリフ氏は12月3日、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)への寄稿で、中共が「第二次世界大戦以来、アメリカと世界の民主的自由に対する最大の脅威だ」と主張している。
記事のタイトルは「中共は国家安全保障上の最大の脅威だ」で、副題は「世界を再構築・支配をしようとしている北京の試みに抵抗することは、私たちの世代の課題である」
ラトクリフ氏は米国家情報長官として、16の米諜報機関を統括しており、米閣僚級高官の中で最も多くの機密情報を扱っている。
記事では、同氏は「私は情報機関を監督している。私のオフィスは、国が直面する脅威を詳細に説明する大統領日報を作成している」とし、「このようなユニークな立場から米国民に一つ言えるとすれば、中共は米国にとって最大の脅威であり、第2次世界大戦以来、世界中の民主主義と自由にとって最大の脅威であるということだ」と語った。
ラトクリフ氏によると、北京は経済、軍事、技術などの分野で米国と他の地域を支配しようとしている。その手段は、「剥奪・複製・置き換え」という3段階のプロセスだという。まず米国企業から知的財産権を窃盗し、次にその技術を複製してグローバル市場で代替するというものである。
こうした脅威に対応して、米諜報機関の年間850億ドルの予算の中で、中国への支出が増加している。米諜報機関内では、業務の重点は対ロシア対策、対テロ対策から安保上の脅威となった中共への対策にシフトし、再編が進んでいるという。
「今や北京は米国との対決に向けて準備を進めている。ワシントンは準備しなければならない。指導者たちは党派の違いを乗り越え、脅威を理解し、広く議論し、行動しなければならない」と呼びかけた。
米国家情報長官は通常、大統領とその主要閣僚のみに報告し、情報の内容について公に語ることはほとんどない。ラトクリフ長官が敵対する外国勢力に対してこのような公言をするのは極めて異例なことだ。
米メディア「アクシオス(Axios)」紙は12月3日、匿名の消息筋の話として、共産党の脅威に関する米情報機関の一連の公式声明は、米国に代わって世界を支配しようとする中共の意図に対する認識を高め、国民的なコンセンサスを形成することを目的としていると報じた。
(翻訳編集・王君宜)
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