「ニクソンとキッシンジャーの対中融和は重大な過ち」知中家の米教授

2019/12/02
更新: 2019/12/02

米ペンシルベニア州立大学のアーサー・ウォルドロン(Arthur Waldron)教授(アジア・中国史専門)はこのほど、大紀元英字版の番組で、中国習近平主席の側近の話として、「中国共産党の内部は、もう進む道がないと認識している」と述べた。

同教授は大紀元英字版のインタビュー番組、「アメリカの思想リーダーたち」(America Thought Leaders)に出演した。教授は、米議会の米中経済安全保障審査委員会の創設者で、シンクタンク・戦略国際問題研究所の常任理事でもある。

ウォルドロン教授は、習近平主席の側近とされる、ある共産党高官との会話で、この高官が「私たち(中共政権)はどこにも行く道がない。誰もがこの体制は行き詰まっていると知っている。どこにでも地雷があり、一歩踏み間違えば滅びてしまう」と発言したという。

ウォルドロン教授はまた、この発言を踏まえて、中国共産党はすでにソビエト連邦の末期と同じように、崩壊の時期に入ったと語った。

教授は、当時の米ソ対峙と違って、現在では米企業や金融機関が中国に投資し、経済関係を築いているとした。「中国共産党が崩壊することは中国の崩壊ではない。中国はまだそこにある。政治体制だけが大きく変わるだろう」

「中国共産党は現状を正しく把握できていないため、機能不全に陥っている。手当たり次第に問題に対応しており、現状から抜け出すための施策をまったく打ち出していない」

さらに教授は、米ポンペオ国務長官と彼のチームに、共産党体制の崩壊とその後の政治体制の転換に備えるよう助言したと述べた。

教授は、米国は過去50年にわたり、リチャード・ニクソン氏やヘンリー・キッシンジャー氏ら米国のかつての指導者たちが、対中政策に大きな過ちを犯してきたと述べた。「彼らは中国共産党に接近し、中国とソ連とを対峙させる戦略だった」この戦略は、「ファンタジー」であり失敗だったとした。「彼らは中国の複雑な政治と社会構造を理解していなかった」

現在続いている香港デモについて、教授は香港の特別な地位が失われるとの考えを示した。

教授は、自らはもう中国の地を踏むことはないだろうと考えていたが、現在の情勢の変化でこの考え方を改めたという。体制変化後の「新しい中国」を確認するため、再び訪中してみたいと語った。

(翻訳・佐渡道世)