8日から訪中したトランプ大統領は習近平国家主席と対談し、互いに親密さをアピールした。日程にはプライベートの対談も含まれ、今年4月のマール・ア・ラーゴ同様、比較的くつろげる環境で行われれた。大紀元記者はジャーナリストの黄金秋氏にトランプ氏訪中の注目すべき点を聞いた。
―トランプ氏と習近平氏の関係について
トランプ氏と習近平氏はその生い立ちと経歴が全く違いますが、カリスマ的な大国の首脳です。彼らが以前面会したときには、出会いの遅さを残念に思う雰囲気すらありました。トランプ氏は数回にわたって習近平氏に好感を示し、彼らの間で非常に良い友好関係が築かれていると思います。また、彼らの間には一定の信頼関係もあると考えてよいでしょう。
トランプ氏は当選後、中国に対し一連の貿易制裁措置をとる予定でしたが、結局実施しませんでした。トランプ氏と習近平氏がこのような友好関係を築くことができれば、中米両国の関係改善につながり、誤解による衝突を避けるのに役立つでしょう。
―北朝鮮問題について
トランプ氏は習近平氏と談笑するために北京に飛んだわけではなく、重要事項を抱えています。両者は北朝鮮問題で一定の合意に達するのではないでしょうか。
習近平氏とトランプ氏は決して金正恩政権を野放しにさせません。トランプ氏も独裁者にアメリカの「北朝鮮の核兵器を取り除く」との決心を見誤らせないと明言しています。北朝鮮が自ら核兵器を除去しなければ、アメリカが金正恩除去に動く、という強い決意です。トランプ氏が斬首作戦を行うかもしれないし、中国がアメリカに協力する可能性もあります。
米中両国が協力すれば北朝鮮問題の解決はいくらか簡単になるでしょう。習近平氏がトランプ氏と友好関係を保つことで両国の対話を促進し、イデオロギーの対立から生まれる障壁を突き破り、中国を開化させるのに役立つでしょう。
―90億ドルの貿易協定について
トランプ氏が習近平夫妻同伴で故宮を見学していた時、全米トップ29社からなる豪華な代表団が、ウィルバー・ロス米商務省長官とともに汪洋国務院副総理と面会し、合計90億ドルの協議を結びました。一方でブルームバーグ社によると米中両国は2500億ドルの協定を結ぶとの情報もあり、中国が貿易不均衡を解消する動きもあるようです。
歴代の共産党指導者たちは外国の来賓を手厚くもてなすのに長けています。トランプ氏の来訪に対し北京側は大きなプレゼントを用意し、習近平政権も例外なく一定の譲歩を見せるでしょう。
トランプ氏の訪中で米中関係に重要な変化が訪れるでしょう。両国が協力して北朝鮮問題を解決すれば、米中関係を今後改善するうえで良い礎石となります。もしそうなれば、中国が極左路線をこれ以上進めるには一定の困難が伴います。
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―トランプ大統領の共産主義批判がもたらす影響
トランプ氏は国連や他の演説でも、徹底的に共産主義を批判し、非常に鮮明な態度表明を行いました。トランプ氏は共産主義が諸悪の根源であると信じていますので、習近平氏にも一定の影響を与えるでしょう。今後どのように中国を治めていくのか、中国にどのような未来を与えるかについて、トランプ氏は習近平氏にとって非常に良い参考となるでしょう。
もちろん習近平氏とトランプ氏は互いに異なったイデオロギーや価値観を持っているかもしれませんが、両氏のこのような相互信頼と友好関係は、中国が近い将来民主化に向かって歩む可能性を高めているように思えます。
しかもトランプ氏は対話や友好関係を重視しているものの、アメリカの責任感を忘れることはありません。アメリカの責任とは世界の平和と正義を守ることです。したがってトランプ氏による対話と圧力により、これ以上中国共産党を維持していくことはますます困難になるでしょう。
―トランプ氏訪中が今後の中国に与える影響
11月7日、トランプ氏訪中を目前に控える中、ホワイトハウスは「ロシア革命」百周年に際し「全米共産主義被害者の日」の声明を出しました。共産主義が国民を圧迫し、一世紀以上にわたって億単位の人命を奪い、数えきれないほどの人々を苦痛に陥れたことを非難しました。
ロシアで行われた式典でもロシア革命を明確に災難と定め、国民にアピールしているかのようでした。しかしこれは中国共産党高官にとっては衝撃的だったことでしょう。中国が民主化すれば以前の「革命」は災難と罪悪のほか何物でもなく、彼らは共産党と共に歴史の罪人として名を刻まれてしまいます。
かつてレーガン大統領はゴルバチョフ氏と良好な関係を築き、ロシアから共産主義を取り去ることに成功した。トランプ氏の役割はまさに当時のレーガンそのもので、トランプ氏と習近平氏の友好関係と米中間のやり取りは、第19回共産党大会後に全面的な改革を推進していく習近平氏の良い道しるべであり、中国を文明社会に導くことができると思います。
(聞き手・駱亜/翻訳・文亮)
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