【大紀元日本5月29日】英紙タイムズは27日、同国各地の名門小中学校を転々と訪れる中国の富豪たちについて報じた。わが子に優良な教育を受けさせようと奔走している親たちだ。
この日、一台のバスがイングランド西部のバース市街に止まり、34人の中国人乗客が次々と降りてきた。「信号を見ずに肩を揺らしながら無遠慮に横断歩道を渡った」という一団は、間もなくステンドグラスをしつらえた19世紀の建物に入っていった。
一行は中国広州市の大富豪たち。ここはバース市の私立中学校キングスウッド・スクール、彼らの英国ツアーの終点だ。
ツアー添乗員は愚痴をこぼした。「(中国人富豪)一団の世話をするのは、子どもの世話をしているようなもの。あるいはもっと手が掛かる。子どもは言うことを聞いてくれるが、大人はそうじゃない」
これまでの数日間、富豪たちは英国の名門私立小中学校を何カ所も見学した。「わが子にトップクラスの教育を受けさせる」と親たちは鼻息が荒い。
タイムズ紙によると、いま英国の小中学校では約2.5万人の外国人生徒がおり、そのうち4千人は中国からだという。
世界的有名な英国コンサルティング会社「ギャビタス教育コンサルタント」の取締役イアン・ハント氏はその背景を分析する。「多くの中国人は、自国の教育制度は子供の成長に有益ではないと認識している。形式重視で建設的な目標がなければ視野も狭い。一方、英国の学校は独学能力や、難題解決、演説、管理者の才能を育成できる」
一行の中、デザイン会社を経営する一組の夫婦がいた。その息子はまだ生後11カ月。中国国内で教育を受けた2人は母国の学校を評価していない。また「中国の政治環境がよくない」と語ったもう1人の富豪は、自分の子どもには先進国の社会を見てほしいと言う。
息子はまだ6歳だがすでに流暢な英語を話せると自慢するキャリアウーマンの母。「息子は将来エリート部下たちをリードしなければならない。頭のよい人間になるしかない」と豪語した。
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