【大紀元日本10月26日】中国東北部の吉林省で建設中の総額23億元(約276億円)の鉄道事業で、手抜き工事疑惑が報じられた。架空の企業が工事を受注し、技術のない出稼ぎ農民が施工したという。中国新聞網などが伝えた。
報道によれば、全長74.1キロの「靖宇-松江河鉄道」は吉林省白山市靖宇県と撫松県を貫通し、投資総額は23億元(約276億円)。2009年6月に鉄道部系列の国有企業・中鉄9局が落札し、その後、いくつかの区間に分けて別々の下請けに丸投げした。
その1つとなる江西昌厦建設会社はさらに、いくつかの孫請けに施工を任せ、元調理師の呂さんが率いる出稼ぎ農民チームはその孫請けの1つとなった。呂さんチームが担当する区間は鉄道橋工事で、呂さんも数十名のメンバーは、建築に関する知識も経験も全くないという。
もちろん、このチームによる施工はずさんなものだった。橋の強度に大きく影響する橋脚土台の建設には、コンクリートの代わりに砕石や土砂を使用。「開通しても乗りたくない」と施工した農民の1人は話した。
さらに、この鉄道工事が問題沙汰となった9月には、呂さんチームに工事を任せたはずの江西昌厦建設会社は「靖宇-松江河鉄道工事を受注してない」との声明を発表し、社印が偽造され、社名が架空会社に勝手に使われたと主張した。
現在、この工事は中止し、全面調査が行なわれている。
(翻訳編集・王知理)
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