中国甘粛省:ダライ・ラマ支持スローガンで、中高生逮捕・拘禁

2007/09/23
更新: 2007/09/23

【大紀元日本9月23日】中国甘粛省甘南蔵族自治州で、チベットの精神指導者ダライ・ラマを支持するスローガン書いたため、中高生7人が警察に拘禁されている。国際人権団体は中国政府に早く学生を釈放するよう呼びかけている。

人権団体「人権監察」(本部・米国)によると、9月6日、甘粛省甘南蔵族自治州夏河県尼瑪郷の中学校と警察派出所の壁に亡命中のチベット精神指導者ダライラマの帰還とチベットの真の自治を求める内容のスローガンが現れた、翌日から、公安による大規模な捜索、逮捕が始まり、中高生50人近くが逮捕され、そのうち7人が現在も拘禁されている。

人権観察アジア事務局長リチャードソン氏によると、「彼らと一緒に逮捕された学生は約45~50人。二日間経ってから大部分釈放されたが、残りの7人は拘禁されたままだ。現在の情報で判断すると、7人はすでに夏河県公安局に移送されたようだ」と言う。

米国RFA記者が夏河県公安局と留置所に電話を掛けて見たが、ずっと留守電だった。リチャードソン氏の話によると、これらの学生が夏河県公安局に移送される前、ある男子学生の親が、息子の体が傷だらけであることを気づき、明らかに拷問されたと言う。親は病院へ連れて行こうとしたが、警察に5000元(地方普通のサラリーマンの半年分の給料に相当)を支払えば、病院に行かせてあげると言われ、結局、その親はお金を用意することができず、あきらめた。

リチャードソン氏によると、先月、尼瑪郷のこの中学校のバスケットボール場内で「自由なチベット」と書いたスローガンが現れた。その時学生も公安に尋問された。人権観察は、「私達は学生の釈放を呼びかけて、彼らの情報を公開することを望んでいる」として、中国政府が早く学生を釈放することを強く望んでいるという。

チベット問題に関心があるフリージャーナリスト傅正明氏(スウェーデン在住)の評論によると、北京政府はインド・ダラムサラに亡命しているダライ・ラマが反政府主義者として見なされ、ダライ・ラマの話は中国各地の公共場所でタブーとなった。「政府はダライ・ラマを反政府主義者として扱い、どんなに人々に崇拝されても、ダライ・ラマの写真、画像、本の所有は禁止されている。ダライ・ラマの使者は何度も中国政府と接触しており、チベットの独立ではなく、真の自治を求めていると表明したが、中国政府はの方針は変わらなかった」。

傅氏は、甘南尼瑪郷のような都市から離れた所でも、中学生がダライ・ラマを支持するスローガンが現れることは、ダライ・ラマがチベット人の生活の隅々にどれだけ浸透しているかを証明したのであり、「ダライ・ラマがチベット人の中で相当な影響力がある証拠だ。文化大革命から中国共産党の宗教に対する弾圧が止まらなかった。生まれ変わったダライ・ラマを中央政府が認定する法案がだされたが、こうした仏様を汚すと見られるやりかたによって、宗教の面の対立がますます強く激しくなるだけだ。解決方法がいまだ見当たらない」と指摘した。

ダライ・ラマは1959年インドに亡命して以来、チベットへ帰還することは北京政府から認められていない。五台山への参拝の願いも中国政府に拒絶された。今年8月、四川甘孜蔵族自治州のチベット人アイダク氏は政府主催する競馬会でダライ・ラマがチベットへ帰ることを支持すると表明したため、警察側に逮捕され、「国家転覆罪」で起訴された。

(翻訳/編集・侍傑)